dalichoko

しょうもない

Capra キャプラ・キャプラ・キャプラ!

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年の瀬になるとどうしても見ておきたい映画が何本かある。

その中で「素晴らしき哉、人生!」It's a Wonderful Lifeは格別だ。

 

ウィキペディアを読むと、なんとこの映画が当時(1946年)大コケしたと書いてある。彼の人生を賭けて映画会社を創設し、満を持してリリースしたこの映画が興行的に失敗したとは信じがたい。

 

映画を見ればわかる。

 

この映画にはほとんど音楽が流れてこない。シーンの必然で蓄音機から流れる音楽はあるが、この映画の音楽としてはエンディングのあたりだけだ。ほとんどない。昨今のハリウッド映画はうるさい。映画で感情表現するところをわざわざ音楽で盛り上げる。映画そのものに魅力があれば、そんな必要はないのだ。

 

何度か見ると気づくシーンもある。天使のクラレンスとジョージ・ベイリーが橋のたもとで暖を取りながら会話するシーン。ジョージがこの世に存在しなくなる不思議なシーン。あのシーンでカメラをよぎる洗濯物を干すロープ。あのロープこそ天国と現実の境になっているのだ!驚き!!

 

 

 

結末を知ってこの映画を見ると、また感動が押し寄せる。今回はテレビ鑑賞だったが、映画が始まった瞬間から涙が止まらない。ジョージ・ベイリーという献身的な人物を彩る様々なドラマ。メアリーとのキスシーンなども美しい。そしてなんとなんと、最後の大団円。

 

彼が街に施してきた自己犠牲が最後に跳ね返ってくる瞬間、もう涙で画面を見ることができない。(泣く)

 

こんなことあるわけないだろう。

 

という見方もできる。できすぎな映画といえばそうかもしれない。しかし、救いのない将来不安を抱える日々に、我々はジョージの心優しい姿に深く感動するのである。

 

フランク・キャプラ

 

彼こそがこの映画の主人公のようなものだ。極貧のイタリア移民。映画の世界で成功し、晩年はどん底を味わうこともあっただろう。そんな彼の人生も、この映画に重なる。

 

キャプラ・キャプラ・キャプラ!嗚呼キャプラ!