貧困が世界を覆う
2019年はなんとなく暗い映画が多かった。だから寅さんのような映画を見ると心からホッとする。しかしそれはある意味で傲慢で、特に若い方の未来は暗く閉ざされているようだ。
去年のはじめにみた『家へ帰ろう』という映画は、戦争のトラウマを抱える老人のロードムービーは、現代社会のゆがみをうまく捉えていた。そして個人的に高く評価している『バーニング 劇場版』やきわめつけは『ジョーカー』などは貧困の先に暴動や戦争が起こりうることを描いている。
その文脈では『ワイルドライフ』や『存在のない子供たち』にも同じことが言えるのだ。
言うまでもなく、世界中100%が貧困なのではない。
貧困という言葉に吸い寄せられて貧困だ、と勝手に思っている日本人も含めて、ほとんどの貧困層と、極めてわずかな富裕層の独占によって世界はバランスしている。
バランスが崩壊するときに共産主義がやってくる、という説明はとても分かりやすいが、それは近い未来の現実となるだろう。
映画の世界でこのことを露骨に説明すると市場に乗らないので誰も言わないが、実はリベラルな映画界はこのことを最も知っている。
貧困はいずれ滅びるか?というと永遠にそうはならない。飢えに苦しむ人々にどんなに施しをしてもなくならない。
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