今さら「ノーサイド・ゲーム」
なんというベタなドラマかと思う。
しかし、これが昨年のワールドカップ前に放映されたとしたら、それは多くの視聴者を感動させたことだろう。
ついつい勢いあまってDVDを借りて今さらながら全部鑑賞してしまった。
泣いた
泣いた
いくつもある感動をひと言で説明はできないが、これはラグビーのドラマではない。
ラグビーを題材にしたビジネスドラマである。もちろん池井戸潤さんの原作なので当然なのだが、池井戸ワールドである企業内部の醜い権力争いと、ラグビー協会の古い体質を批判した、かなりシビアなドラマなのだ。
ドラマとして最も秀逸なのは元日本代表、廣瀬俊朗さんである。
このドラマは彼をキャスティングした時点で勝利している。
彼がドラマの冒頭から存在感を示す。大泉洋さん演じるGMを当初敵対視し、自らの体力の衰えで世代交代で退き、優勝を決める試合でけがを背負いながら、引退を覚悟でチームを勝利に導く。
後輩にポジションを取られたときに抱擁するシーンには慟哭した。
そして最後の試合の覚悟。
これはおそらくラグビーに限らずスポーツでも会社でもどこでもあることだ。
しかし彼はそれを本当のこと以上に本当らしく”演じている”のである。
このドラマの誰よりも彼の存在が大きい。
素晴らしいドラマだった。
(=^・^=)