トライアローグ 横浜美術館
素晴らしい企画だったと思う。
それぞれの作家の作品で、国内で分散されている作品を集結させて歴史をなぞる。その変化を探る意味でも極めて優れた企画であった。面白かった。
そしてアートが戦争の世紀といわれる20世紀でどのように変化したか?と問う企画としても見事に整理されている。写実主義を離れ表現主義への変化。二次元から三次元など、アートの選択肢が幅広くなった。
それと平行して、個人的に目を引いたのは美術館の歴史だ。日本に名だたる美術館の多くは1980年代後半に建てられたものだ。そして世界のアーチストを集い、幅広くアートのトレンドを追ってきたのが日本美術館史といえよう。しかし、美術館に限らず、長いデフレの中で、国内のあちこちのテーマパークや美術館が困窮し、コロナの影響で経済的にも追い詰められている現実もあるようだ。
資本主義の終焉が近づく中、果たしてアートはどこに向かうのか。この企画は裏を返すと美術館が単独で生き残る最後の手段として見られる可能性もあるのだ。
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