dalichoko

しょうもない

One Night in Miami あの夜、マイアミで

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四人の対話劇。それぞれがは白人社会で黒人の劣悪な環境を経験している。
 
 
まず、それぞれの俳優が実物にとても良く似ている。そして映画の冒頭で、それぞれが当時の社会で大変厳しいビハインド、辛い体験をしていることが示される。マルコムXは敬虔なムスリムでありながらNOIを離脱する羽目になる。NFLのスーパースター、ジム・ブラウンは白人に歓迎されながら家に入ることが許されない。シンガーのサム・クックは白人を前に全く受けず挫折する。
 
こうした4人がある日マイアミに集まる。

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そしてお互いの主張が衝突するのだ。それはマルコムXが彼らスターをプロパガンダとして黒人社会を確立するという、白人社会との対立構造を理想とすることに対し、シンガーのサム・クックは白人をとりこんで自分たち黒人のファンにしてしまえばいいという融和思想が衝突する。その狭間で、カシアス・クレイという奴隷の名前からムスリムモハメド・アリに改宗するという決断をする。ジム・ブラウンはまた別の立場でマルコムXとサム・クックの対立に意見する。黒人の中でも色の薄いマルコムXは、どちらかというと色の濃いジム・ブラウンが彼を非難するという複雑な構造の中で議論を深めてゆく。
 
マルコムXがサム・クックのボストンでのライブで、前座のジェームス・ブラウンの悪意でマイクの音を切断されても会場を一体にさせた姿を高く評価しつつ、彼の融和姿勢と決別してしまう。このボストンライブには涙が出る。マイクのない、アカペラで会場をひとつにしてしまうパワーに感動。
 
このドラマの最後にサム・クックA Change Is Gonna Come”が流れて感動的に終わる。彼はマルコムXからボブ・ディランの”Blowin' in the Wind”を突きつけられて返す言葉を失ったことに対するアンサーとして流れてくる。

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困難は付きまとう
長い道のりの中で超えていく全ての段階に
でも私は信じている
今夜私に変化が起こると
私に変化が訪れると
さきに鑑賞した『マ・レイニーのブラックボトム』と同じ舞台劇の映画化。そしてほぼ密室劇の対話が重なる。さらに、いずれの映画にも共通する「黒人の中にある格差と対立」と「神に対する冒涜」がとても深くて悩ましい。どうだろう、2016年に大統領が変わる前、黒人の大統領が8年間務めた間、映画は黒人向けの作品が高く評価されるようになった。ハリウッドではあまり掘り下げてこなかった黒人への劣悪な仕打ちが映画で表現されるようになる。そして2017年にまた共和党の大統領になり、黒人という枠を超えて、ラティーノジェンダーや格差などあらゆる偏見が顕になる。
 
そしていま、さらにこれらの格差が、黒人の中にも存在していたことを示す。
(=^・^=)
 
 

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