dalichoko

しょうもない

竜とそばかすの姫


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細田守監督の新作『竜とそばかすの姫』が公開された。素晴らしかった。

細田守監督の一連作品としては、2009年の『サマーウォーズ』以来のネット社会を扱う作品で、その前の『ぼくらのウォーゲーム』から20年。特に『サマーウォーズ』については、町山智浩さんが「日本の旧家と戦争」というテーマで大島渚監督の代表作『儀式』と比較分析していてとても面白い。

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そして細田監督が『サマーウォーズ』以来ずっとフォーカスしている”家族”というテーマがこの新作にも降りてきている。主人公の鈴は田舎町に住む高校生。冒頭のいくつかのシーンで彼女には母親がおらず、父親と二人暮らしだが、その父親ともうまくいっていないことが描かれる。学校で彼女と友人が見下ろすシーンがとてもいい。ここでこの映画人物関係を一気に描いていく。

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そしてこれらの人物と主人公の鈴が、ネット社会で殺りくを繰り返す竜とどのように出会い、どのように竜を救い出すのか?というのがとてつもないスケールで描かれてゆく。

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ディテールの描き方が実に細かいので、映画全体の大きなスケール感とバランスを敢えて崩してゆく手法は細田流だ。片田舎から地球規模の問題を提示する。そしてこの映画が本当に伝えようとする大きなテーマが最後に提示される。日本でこの問題をはっきりと映画で伝えたのは是枝裕和監督以来ではなかろうか。とてつもない問題を提示している。

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そしてこの映画が『美女と野獣』をモチーフにしているのは、ネット社会でベルと名乗る彼女をみればすぐわかる。野獣が内面に持つ二重性も、この映画の大きなテーマだ。このブログもツイッターもSNSという匿名性は、それぞれが抱える現実と虚構。そして匿名であれば何をしても許されるという問題もまた、この映画のもうひとつのテーマだろう。その書き込みがどれだけ人を傷つけているか?さらに、ディズニー映画が初期段階から隠れテーマとしている問題についても細田監督は見逃さない。



おそらくこうした文脈でこの映画は評価されることはないだろう。児童虐待、ネットの誹謗中傷、そして毒親というテーマは、政治の問題だ。そして『サマーウォーズ』で決定的に細田監督が示した日本の古い慣習に縛られた恐ろしい現実が、この映画の背景に大きく支配されていることを知るべきだ。かつてない大傑作だ。

 

必見!

 

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