こちらは断然面白かった。すごく面白かった。
どう説明すればいいのかわからないが、とにかく素晴らしい作品だった。
流された少女に名前はない。彼女が最初に出会游娜(ヨナ)という同じ年頃の少女。そしてもうひとり拓慈(タクジ)という少年の三人がドラマをリードする。
記憶のない少女は宇実(ウミ)と名付けられ、島のお祭りや言葉に馴染んでゆく。この不思議な言葉の行き来が実に新鮮だ。このドラマには言葉が大きな意味を持つ。
この島を司るのはノロという女性たちで、最も権威のなる大ノロという老女とのやりとりでこの三人の少女と少年の運命が少しずつ変わってゆく。この島の歴史、この島が抱えた過去。そうした背景がドラマに大きな影響をもたらしている。
なぜこの島の指導者が女性なのか?
二人の少女もノロとなるために学ぶ。でも男のタクジにはその資格がない。その秘密が最後に明かされるのだが、ここはとても深い意味がある。敢えて例えるならそれは”ニホン”だ。この世界から取り残されたニホンの現状を痛烈に批判する。しかしドラマはそれを直接的に語ることはしない。柔らかく優しく描かれていく。
彼女には期待したい。そしてまた彼女の語り口で描く世界を覗きたいと思わる小説だった。
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貼りました。みつけてみてくださいね。