赤ひげ 午前十時の映画祭
劇場は満席です。一つおきの席ですが、ネット予約の時点で空席はほとんどありませんでした。年配のご同輩や先輩方でぎっしり。こみ上げるものがありますね。
大画面で見るドアップの俳優の表情や動きや音を体感しました。素晴らしかった。
この映画についてあれこれ言うのは意味がありません。というか黒沢映画を今更説明しても意味がない。とにかく黒澤明しか撮れない。同じ映画を撮ることは誰もできないという芸術映画だということです。それだけ。
そして後半は保本とおとよの関係。二人の成長を描くのね。
赤ひげが根気強くおとよに薬を飲ませるシーン。
この映画を見ずに日本映画は語れませんね。
黒澤明はこのあと日本で映画を撮ることができず、ハリウッドの失敗後、ロシアで新境地を見出して晩年の傑作を作りますが、この後黒澤映画で人物がこれほどクローズアップするシーンはほとんどなくなります。ある人物にフォーカスすることをやめて群像劇へと変化します。
ちなみに1965年、キネ旬1位はフェリーニの代表作『8 1/2』。黒澤とともに世界をリードしてきた巨匠ですね。『赤ひげ』は興行的にもこの年大ヒットを飛ばしました。
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貼りました。みつけてみてくださいね。