まずこの映画には驚くような出演者がいる。主演の
イ・ジョンジェはもちろんだが、『８２年生まれ、
キム・ジヨン』や『新感染』などのコン・ユがチョイ役だが重要な役で出てくるほか、最後の最後でとてつもない大スターが出てくる。これは驚き。
色々なレビューを読むと、あたかも『カイジ』と同じではないか、という説もあって、それはそれでそういう面も確かにあるのだが、最後までこのドラマを見れば、雲泥の差があることがわかる。
はじまりのあたりがとてもコミカルに進むので、取っつきやすいのだが、残虐なシーンがどんどん続く。「
だるまさんがころんだ」で失敗すると次々と脱落者は殺されてゆく。そのあまりの残虐さに、一旦は多数決でゲームを中断するのだが、日常生活の貧しさや借金地獄のほうが苦しくて、再びゲームに参加することになる。
主人公とペアを組む老人や、最後までライバル関係になる主人公の友人など、様々な人間模様が交錯する。
脱北者の少女もまた最後まで目が離せない。演じるチョン・ホヨンは有名ブランドのモデルでもあり、彼女の一挙手一投足はドラマ全体を強く印象づける。最後の痛々しいシーンでは涙をさそう。
しかしこの群像劇は最後にとてつもないテーマを見る側に突きつけてくる。それは明日生きるための金もない貧しい人々と大金持ちで何不自由のないＶＩＰが同じ関係にあるという恐ろしさだ。まるで
ドストエフスキーの『
罪と罰』のような深淵で複雑なドラマが最後の結末に用意されていて、ラストシーンは息を飲む。
最後に対決する二人の対象的な姿勢。一人は自らの力で嘘と裏切りを繰り返して生き残る。もうひとりはいつも誰かの手に助けられてぎりぎりで命を救われる。こうした明暗が最後に想像もつかないようなとんでもない結末へと進んでゆくのだ。これは世界中を覆う格差問題は、
朝鮮半島問題、あるいは命の尊さなどを掘り下げ、愚かな人間の内面をえぐる凄まじい内容だった。
韓国ドラマ侮れず。もう日本のドラマは韓国から３０年は遅れをとってしまった。
韓国はドラマも映画も音楽も、しっかりとした世界戦略に裏打ちされている。このドラマもまら素晴らしかった。
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貼りました。みつけてみてくださいね。
