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しょうもない

リスペクト

アレサ・フランクリンのことは1960年代生まれの我々もほとんど知らない。『ブルース・ブラザース』に出ていたことと、晩年は太ったおばさんという印象だけだ。その彼女が幼い頃からとてつもない才能があって、これほどまでに波乱万丈の人生を克服した方だったとは驚きだ。


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昨今、『ボヘミアン・ラプソディ』あたりからだろうか、音楽を映画の題材にするのが流行っている気がする。この『リスペクト』もMGM映画だが、MGMといえばミュージカル映画というイメージ。少し前のボリウッド(インド映画)もそうだが、大勢のダンサーが画面一杯に踊るシーンがMGMにも重なる。

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ジェニファー・ハドソンが製作総指揮の筆頭に名を連ねるこの映画は、アレサ・フランクリン自身も望んでいた自伝だ。『ドリームガールズ』で大きな感動を与えて、賞を総ざらいした彼女からすれば、アレサ役を自ら演じることになるのは必然である運命だったのかもしれない。素晴らしい演技だった。

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『ジュディ 虹の彼方に』のジュディ・ガーランドが重なった。幼い頃から親や大人の都合で才能をコントロールされ、あるときその自我が芽生える。抑圧からの開放が”自由”だ。しかしジュディとアレサにもし少しの違いがあるとすればそれは神の存在ではないか。アレサは牧師である父親の抑圧とマネージャーである最初の夫などから開放されたとき、ようやく自分の本当の存在意義を理解する。ゴスペルだ。この映画に流れる”アメージング・グレース”の意味はとてつもなく深い。

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キング牧師とのエピソードは、今年上映された『サマー・オブ・ソウル』で強烈なインパクトを与えたニーナ・シモンと同じ状況だ。非暴力革命を目指したキング牧師の教えとは裏腹に、彼女たちは差別や偏見と真っ向から対立しようとする。このあたりは時代性を映画に落としたつくり手側の意図がしっかりと伝わる部分だ。

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映画はアレサ・フランクリンの人生を丁寧に描いて終わる。多くのシーンに感動が宿り、ジェニファー・ハドソンの演技、彼女の表情や歌声が圧倒的に染み渡る。しかしエンドロールのはじまりにアレサ・フランクリン本人が出てきてステージで歌うシーンにすべてが洗い落とされる。その真の迫力が映画全体の品位をさらに高める作りになっている。素晴らしい映画だった。

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