水俣曼荼羅 原一男監督
今週のお題「最近あったちょっといいこと」
いつもしょうもないブログですけど、今週はいい映画にたくさんめぐり合えて、うれしくて記事にしてしまいました。「最近あったちょっといいこと」それはこの映画を見ることが出来たことです。
原一男監督の『水俣曼荼羅』をシアターイメージフォーラムで鑑賞。
6時間12分と長尺。
渋谷ではなく原宿から表参道を上がって青山通りに向かう。いい天気だ。東京はすっかりコロナを忘れてしまったようだ。しかし忘れてはならないこともある。この日見る映画はそういう映画だ。
この映画をひとことで説明はできない。例えばジョニー・デップがユージン・スミスを演じた『ミナマタ』なら「世界に知られざる日本で起きた水銀被害」と説明できるが、原一男監督のこの作品は過去形ではなく現在進行系の水俣被害が描かれている。ベッドに横たわる弱々しい被害者の姿から始まるこの映画は、企業や国家の圧力を描き、その傲慢な姿勢に対する怒りを描いている、といえば聞こえはいいのだが単にそれだけではない。怒りだけで語るなら、そこには『ゆきゆきて神軍』の奥崎謙三が生きているように感じた。
この映画、実はラブストーリーだったのだ。6時間という長大な時間をかけたラブストーリー。それには編集期間も含め20年の歳月がかかったという。坂本さんのように体を思うように動かせない被害者の愛。生駒さんのように体が不自由になってゆく夫を支えた妻の愛。その愛を演出した別の被害者である川上さんの愛など、この映画は大きな愛に包まれている。その愛も天皇制をにじませてくると趣が変わるのだが・・・
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貼りました。みつけてみてくださいね。