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しょうもない

キャッスル・クリスマス Netflix

いやびっくり!あのブルック・シールズが映画に出てた!驚いたね。すごね。
『キャッスル・クリスマス』(A Castle for Christmas
この映画の話の前に、ブルック・シールズについて説明すると、彼女は1978年、つまり40年以上前に、ロリータ美少女としてデビューしました。言わずとしれた『プリティ・ベビー』。ロリータというとキューブリック監督の同名タイトルが連想されますが、あちらはモノクロで、こちらはカラー。『死刑台のエレベーター』のルイ・マルが監督でアメリカ進出第一作だったんです。それはそれは衝撃でした。でも・・・私まだこの映画見ていません。とにかく美しい美少女が映画雑誌などで取り上げられて大騒ぎだったのを覚えてます。

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12歳の売春婦が、50代の女性作家となった帰ってきた。その衝撃だけで十分だがが、この映画、とてもよくできている。彼女は売れっ子作家だが、私生活で夫と別れるなどの理由で、人気だった自分の小説の主人公を殺してファンからバッシングされる。インタビュアーがドリュー・バリモアちゃんなのも皮肉。『E.T.』の子役でデビューした彼女が、子役の先輩をバッシングする。すると主人公のブルック・シールズ演じるソフィーがカメラに向かって残酷なセリフで迫る。このシーンを見て『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンを連想した往年の映画ファンもいたのではないだろうか。行き詰まった女性作家。それがこの映画の始まりだ。

ここから場所がスコットランドに飛ぶ。エディンバラ。チェックインしたホテルで彼女のファンだという友だちができるが、彼女の目的はこの地で新作を書くこと。そこで彼女の父親にゆかりのあるダン・ダンバー城に向かう。そこには偏屈な城主デュークがいる。この城を維持してきた彼は、財政難で城を売らなければならない窮地にある。この城をソフィーが買うことになる。しかしソフィーとデュークはそりが合わない。お互いに惹かれ合いながら喧嘩ばかり。ここはアメリカ人のソフィーと伝統あるスコットランドの片田舎にある城主とが対立し、立場が逆転するシーン。運命の逆転だ。なぜなら、ソフィーの祖先はこの城で働いていたからだ。いわば城主と召使いの立場が逆転する場面である。ここは注意して見るべきシーンだと思う。

喧嘩別れしてホテルに帰ると、親しくなった常連の友だちが告白するのは、この地域はデュークの祖先の私有地で、誰もがダン・ダンバー城に賃料などを払って生活が維持できていると聞く。日本でいう荘園のような制度か。荘園制度は世界各地にあって、中国からヨーロッパまでその制度が認められてきた。この地に住む市民は、城主との関係で円満に住まわされている、という関係である。

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ただの偏屈な城主ではなく、領地の市民のことを思うデュークの気持ちを察したソフィーの気持ちは次第に彼に近づいてゆく。そして長年開かれなかったクリスマスイベントを城で行うというアイデアがでて・・・・

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とまあ、ここからはお決まりのパターンになってゆくのだが、この映画はお城を中心に、エディンバラの広大な土地と美しい風景を映し出す。ソフィーと友だちになる人々も高齢の女性から、連れ合いを失ったゲイや黒人女性など、多様な人物がソフィーとデュークの関係に入り込む。この多様性がいい。かつて貴族は城主というプライド、誇りだけで存在してきた。不労所得によって私有地を管理し、貴婦人は家に閉じ込められ、領民は城の仕事をすることで生活する。いわば経済の循環構造。それがこの映画の設定では、荘園制度が崩壊していることを示す。このあたりの背景を多少でも理解すると、この映画はとても面白い。ファンタジーなフィクションであっても現実を丁寧にほのめかすと、見る側は一気にその世界に入り込む。

残念ながら、この前の日に鑑賞した『浅草キッド』にはそれがない。深見千三郎フランス座を手放す過程などがもう少し丁寧に描かれてもいいような気がする。本当につまらない陳腐な映画だった。

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はなしをブルック・シールズに戻す。

12歳の売春婦としてデビューした彼女は、その後も映画に出続けて、成長する美しい姿をファンに披露する。どうしてもこの美しいルックスと背の高さなどから、セックスシンボル的な存在にされ、際どいヌードシーンなどを見せる映画もあったようだが、コメディ映画にカメオ出演するなど、時々映画に出ていたようだ。しかし今回は見事に主役として復活していて、その演技も後半に向けて徐々に味わいを感じさるものになっていた。素晴らしかった。

映画はこれでいい。いやこれがいいと思う。きっと多くの人はこの映画をありきたりなラブストーリーと言うかもしれないが、時代に合わせた実情が紹介されていて、そこにあの美しい少女が年を取り、それなりの立場で演技をしてくれている。そんな感動もまたありではないかと思う。

 

 

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