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しょうもない

フレンチ・ディスパッチ ウェス・アンダーソン

またしてもウェス・アンダーソンがやってくれた。『フレンチ・ディスパッチ
前作『犬ヶ島』にもやられたが、今回もぶちのめされた気がする。もうウェス・アンダーソンにはとてもじゃないがかなわない。彼の頭の中はとてつもなく寛大だ。

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もうこの際ストーリーはどうでもよい。4つの物語を混ぜ合わせたオムニバス風の作りだが、内容はひとつにまとめられる。しかしそのあまりにも膨大な情報量を見る側は消化しきれいないと思う。ウェス・アンダーソンの世界にどっぷりと身を委ねるしかないのだ。考えてはいけない。

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ただ、ウェス・アンダーソンが何も考えずにこの映画を作ったか?というともちろんそうではない。この映画には、この映画が作られた時の社会が見事に重ねられている。この架空のフランスの雑誌、という舞台もまたそれなりの意味を持つのだろうが、個人的にはこの映画の舞台をアメリカにすると刺激が強すぎるからこのような作りにしたのだと思っている。そこもよくわかるような気がする。

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これだけの大スターを集結させ、ドラマとして成立させる手腕は見事というほかない。偉大なロバート・アルトマンの群像劇ともまた違う。と言いながら、映画のところどころに古き名作やアートの匂いが漂う作りになっている。何しろ最も刺激的だったのは、絵画のシーンだ。絵描きが女性のヌードを描いているシーン。この奇想天外なその後の展開も一瞬で変化がおとずれる。すごいことだ。絵画という商品価値は、この映画の主題である雑誌の価値にもなぞられる。雑誌がなんのために作られ、どういう責任を負っていたか。それを昨今のSNSで一概に比較することなど無益だ。
雑誌という媒体とそこに集う想像を絶するような人物たちによる忘れられた闘争がここには描かれている。ビル・マーレイが「泣くな」という意味もなんとなくわかる。めそめそ泣いている場合ではないのである。
 
 
 
 
 

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