dalichoko

しょうもない

日本人はどう死ぬべきか?

角川武蔵野ミュージアム東所沢)に行った。驚くべき施設だった。初めて見る、初めて体験する施設。
 

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ここのミュージアムショップを歩いて見つけた本がこれ。新国立競技場などで今をときめく隈研吾さんと養老孟司先生の対談を中心とする本。だいぶ前に書かれた本なので新鮮味は薄いがついつい買ってしまった。
 

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養老先生は『死の壁』(未読)で”二人称の死”について書いているようだ。要するに一人称の自分は死ぬんだから気にしない。赤の他人の三人称の死もどうでもいい。問題は家族や知人、友人などの二人称の死が最も厄介だ、と言っているようだ。

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対談は生きていることの障害や問題などを対談形式で雑談をする。テーマは多岐に及び、凡人の私などにはまるでわからないことばかりだが面白い。極端な禁煙(嫌煙権)を主張するのはタバコをやめた(やらない)人で、ヒトラームッソリーニはタバコを吸わず、チャーチルルーズベルトは愛煙家だった、などという雑談は機知に富む。
 

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新しい歌舞伎座を設計したのも隈研吾さんだったようで、この話題から鴨長明の『方丈記』に話題が飛躍するあたりは興味深い。下鴨神社に現代版の方丈庵を作ってお二人が対談している。かつて黒川紀章さんが”建築は川の流れのように”と主張された話しなどを交えて、日本はもともと家に対する執着がなく、災害や震災で壊されることを前提とした庶民の家が圧倒的に多かったことなどが語られている。実に面白い。
 

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最後に隈研吾さんが書かれている「空き家問題」にうなる。2040年に空き家が4割になる、という予測(というかほぼ確実)を前提に、戦後日本にアメリカの家をイメージしたユートピアがもたらされ、土地を分譲することで経済成長果ては日本列島改造からバブルへとぶくぶく膨らみすぎた。日本の成長は膨張した人口に借金を背負わせたのだ。隈研吾さんは「住宅ローンの魔法にかかったサラリーマンという高等な奴隷」という言葉のインパクトは強すぎる。

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日本人は自然災害で死ぬことが最も日本人らしい死に方だ、とは鴨長明の言わんとしている生き方がこの国の将来をイメージさせるものなのかもしれない。確かにもう生きてても楽しくないもん。生きてて楽しく明るいと思える老人はどれだけいるのだろう。老いた我々が楽しくないんだから、若い方は未来をどう考えているんだろう。
(=^・^=)
 
 
 
 

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