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しょうもない

三四郎 翻弄される

前半で東京に出てきた三四郎に何人かの人物が現れるのだが、不思議なシーンがいくつかある。中でも”土手から飛び降りた若い女”があって、三四郎はそこを横切る。女という言葉がこの小説には何度も出てくるのだが、恋愛小説のようで実は女について客観的に描く物語でもある。

ここでこの物語の中心である美禰子という女性と出会う。出会う場所は広田先生の家だ。三四郎は美禰子をたまたま大学の構内で見つけたのだが、偶然にも広田先生の家で対面することになる。ここから三四郎は美禰子に翻弄されてゆく。

「私さっきからあの雲を見ていますの。ダチョウのボーア(襟巻き)に似ているでしょう。」

「雲の色が濁りました。重い事、大理石の様に見えます。」

「迷子の英訳を知っていらして?ストレイ・シープ(迷い羊)・・・解って?」

という調子である。この”ストレイ・シープ”は三四郎をひとことで示している。

広田先生の家で三四郎はある種穏やかな知性が育まれてゆく。こんな会話もある。

学問好きは情愛が薄くなる。

人情で見ると全てが好き嫌いの2つになる。

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これは三四郎と同郷の先輩、野々宮宗八のセリフで、野々宮の妹より子と美禰子は友人関係。ここに佐々木与次郎という不思議な男が三四郎をさらに翻弄する。この単純そうで複雑な人間関係が細やかに描かれてゆく。

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美禰子に惑わされる三四郎は友人の与次郎に相談すれば「女は恐ろしいものだよ」と言われ、広田先生に相談すれば「美禰子さんは、イプセンの『人形の家』に出てくる女性のようだ。」と例える。美禰子は見た目の美しさとは裏腹な印象のようだ。

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