真説 日本左翼史 戦後左派の源流
戦後の混乱で誰が仕掛けたかは別にして、左翼政権になってソ連へたなびくことを阻止しようとしたのは、間違いなくGHQと財界でしょうね。アメリカ発大量消費社会という資本主義へと突き進むためにどうしても左翼化を阻止したい。そうした中でいくつか事件が起きます。
共産党の「二・一スト中止事件」もまた大きく社会にブレーキをかける。マッカーサーの要求を飲んで共産党がストを回避します。佐藤優さんは、このストが成功していたら、おそらく吉田茂内閣は倒されていただろうと言っています。そしてこれが社会党との決定的な分裂へとつながる。
こうしてか「逆コース」に向かう情勢に抗うことができず、共産党は「所感派」と「国際派」に分裂。かつて人種を問わない共産党員は宮本顕治がトップとなってから、日本人以外入党できなくなります。かつてはインターナショナルといわれた世界的な左翼活動がどんどんセクト的になってゆく。そしてエリート主義傾いてゆくわけですね。
大島渚の『日本の夜と霧』というすごい映画があるんですけど、この中で当時のことがかなりリアルに”はねっかえり”を表現します。大島渚も渡邉恒雄同様に学生時代共産党員でしたが、渡邉恒雄の事情とは別に大島渚は共産党の凋落に満足できず、中途半端な共産党から離れ、映画という表現の中で先鋭化していきます。
私はこの映画を見て興奮しました。私が大学に入った頃はすでに学生運動もなく、平穏なものでしたが、キャンパスには大きな看板や時々見かけるヘルメットなどがあって怖かった。でもとっくに過ぎ去った学生運動を名残惜しむような茶番は大島渚の『日本の夜と霧』や『青春残酷物語』は本物を見せつけてくれました。衝撃でした。
（つづく）
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貼りました。みつけてみてくださいね。
