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しょうもない

クライ・マッチョ クリント・イーストウッド

まだまだ現役、90歳を超えてもまだ映画作りに意欲を見せるクリント・イーストウッドの最新作。昨年の東京国際映画祭でオープニング上映された映画『クライ・マッチョ』を鑑賞。
ウィキペディアを読むとかなり昔から企画はあったそうで、なんとロバート・ミッチャムが候補だったと聞いて驚く。1980年代後半のことのようだ。ロバート・ミッチャムが80歳近くで亡くなったのが1990年代だから、おそらくこの原作のイメージは70歳ぐらいだったのではないか。その後シュワルツェネッガーで2010年頃本決まりになりかけたが、彼のスキャンダルなどで再延期となってさらに10年。なんと30年以上の時を越えてクリント・イーストウッド自らが主人公となった作品として完成したのである。

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原作者のリチャード・ナッシュは戯曲化で、ハリウッドの興隆とともに映画の脚本も書くようになり、彼の初めての小説として書かれたこのドラマも映画化を意識して書かれたもののようだ。国境を超えて少年がマッチョになってゆく姿を描くドラマ。これをシュワルツェネッガーで映画化するということは、『ターミネーター2』を彷彿とさせるものだ。過ぎた時間が様々にこのドラマを変化させてきたのだ。

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結果としてこの映画はクリント・イーストウッド私小説のようになった。それは彼のキャリアを思い起こせば誰でも気づくことができるはずだ。極めて強引に関連づけるとしたら、言葉の通じないメキシコで少年を誘拐する、これは『荒野の用心棒』と『チェンジリング』だ。とくにセルジオ・レオーネと組んだマカロニウエスタンのはしりとなった『荒野の用心棒』は、クリント・イーストウッドにとってはこの映画の主人公そのものだろう。言葉の通じないイタリアで過ごした日々がこの映画に重なっている。

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そして何よりもラスト。よぼよぼの主人公とともに愛を確かめ合うように踊るマルタに『マディソン郡の橋』を思い浮かべた方も多かろう。得も言われぬあのラストに押し寄せる感動は誰にでも理解できるものではない。老いというものと戦うマッチョ。そして老いても失われない生きることへの執念があのラストには示されている。マルタのあの笑顔もまた忘れ得ぬ美しさを放つ。老いても愛は失われないのだ。素晴らしい!
 
 
 

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