dalichoko

しょうもない

ドストエフスキー入門 佐藤優 悪霊・未成年・カラマーゾフの兄弟

第三章 悪霊
まず、高橋和巳の『日本の悪霊』について紹介される。逃げる政治犯と特攻帰りの刑事、1950年の日本共産党分裂が背景にあるらしい。連想したのは黒澤明監督の『野良犬』だ。(こんど読んでみよう。)
悪霊』にはルカとマタイの福音書が出てくる。ドストエフスキー反革命的な立場でアナーキズムを批判した。佐藤優さんは、この作品の経緯を踏まえ、現代の新自由主義経済も悪霊のせいではないか、と語っている。
ネチャーエフ事件をベースにしたと言われるこの作品は、革命で破壊しておいてあとは次の世代に委ねるというものであり、ひいてはフォイエルバッハ論まで繋げて解説している。
 
第四章 未成年
主人公のドルゴルーキーはロスチャイルドになりたかった男だ。佐藤優さん曰く「ドストエフスキーは資本家と守銭奴を勘違いしていたのではないか?」と言っていて、ドストエフスキーの作品に多く出てくる金貸しやアパートの大家はどちらかというと守銭奴であって資本家ではない。
ドストエフスキーはこの作品で「未成年のままでいろ」と主張しているという。成人になって達観すると見えなくなるものがあると。そこに村上春樹さんを重ねたり堀江貴文さんのエピソードなどを織り交ぜる。
 
この作品には続編が予定されていたようだ。
父と美しい女性を争い合う長男のドミートリー。ドミートリーは父殺しで捕らわれるが、実は父を殺したのは小間使いのように使われた血の繋がらない末っ子のスメルジャコフで、彼は結局自殺する。
三男のアレクセイとゾジマという老修道僧がこのドラマの語りてとして、おぞましいこの物語を精神的に支える。
これは新生ロシアの象徴として描かれた壮大なドラマであり、父殺しといは聖書の教えから波及している。
 
こうしたドストエフスキーの一連の作品を整理する。
読んだ作品もあれば、触れていないものもある。
しかし今こそドストエフスキーの時代と現代を照らして、人がどれほど愚かな生き物か?を理解するべきだ。漠然と生きていると平和に思える毎日は、実は虚飾され作られたものだ。ネット、テレビ、映画、雑誌、漫画、ゲーム・・・どれも愚かなものばかりだ。しかしすぐそこに迫る日本のそして世界の破綻を覚悟する意味で、ドストエフスキーは再考されていい。
それにしても佐藤優さんの読書量と情報量には圧倒される。
(=^・^=)
 
 

dalichoko FC2 - にほんブログ村

貼りました。みつけてみてくださいね。

にほんブログ村 グルメブログ 日本全国食べ歩きへ

にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へ

ブログサークル
ブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう!