ドリームプラン レイナルド・マーカス・グリーン
公開初日に『ドリームプラン』を鑑賞。
ビーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を育て上げた父親”リチャード”・ウィリアムズの話し。テニスウェアをずっと来たままのウィル・スミスが熱演している。原題はKing Richard。
とにかく娘たちを徹底して命がけで育てる父親が描かれる。なぜ彼が娘たちをそれほどまでに厳しくし、命がけで彼女たちを守り続けるのか?という部分が強調されるべき映画だ。もちろん黒人である、面もあるがそれだけではない。リチャードたちが住む地域で起こる日常から開放されようと必死に努力した結果がセリーナ姉妹の業績と名誉に繋がっていたのだ。
しかも、単に厳しいというだけでなく、極めて戦略的な点も面白い。実力のある若い選手が急激にランキングを落としてゆく。大坂なおみ選手がひところそのような精神的な窮地に追い込まれたこともこの映画の一部として描かれている。奇しくも大坂なおみ選手がセリーナを破ってグランドスラムの一冠を手にしたことは、この映画と大いに関係していると思う。
そして何より、当時ウィリアムズ姉妹がトップに上り詰めるまで、まだまだテニスコートを巡っては、人種的な偏見、肌の色への偏見が残っていたことを認識する。このことはすでに多くの先人による映画などで語り尽くされていることなのだが、まだつい最近までこのようなことが起きていたことが驚きだ。
ラストで、敗れたビーナスがコートを出てくるシーンでは思わず涙がこぼれてしまう。それはこれから見る方のお楽しみだが、とにかく必死に生きることの美しさをこの映画は教えてくれる。
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貼りました。みつけてみてくださいね。