少年の君
『少年の君』を鑑賞。心を揺さぶられる傑作だった。思っていた以上に圧倒された。
予告編などでもわかるとおり、いじめの映画だ。暗い映画だが、町山智浩さんがラジオで絶賛していて、しかもキネノートの視聴者ランキングでも高得点ということもあって、矢も盾もたまらず見に行ってしまった。従って、チケットの予約が遅れて、空いている席はル・シネマの最前列。その真ん中あたりで鑑賞できた。ということで、この時間は満席だった。
先にややネタバレ気味になるが、この映画はハッピーエンドで終わる。これを知らずに映画を見ると辛い映画だ。希望に満ちた映画であることがこの映画の前提にある。
前半は受験間際の主人公がいじめられるシーンが延々と示される。このチェンという幸薄い少女には父親がおらず、母親も詐欺師で追われている。彼女をいじめるのは同級生の金持ちの娘たち。警察も介入するのだが、そのせいで担任の教師が交代するなど複雑だ。
そんな折、スラムでチンピラの少年と出会う。映画の中盤は彼が彼女のボディーガードをしてくれる話となる。それでもこの少年もまた下層階級で学歴もない。少女が一流大学を目指すのと対比的な関係が描かれる。いじめる側(金持ち)といじめられる側(貧困)と、その彼女を暴力で必死に守ろうとする少年という三角関係。
そして最後は、いじめをしてきた同級生の少女が殺される、という事件が起きる。このいじめっ子を殺した犯人は誰か、という最後の展開は手に汗握る展開だ。共産主義社会であるはずの中国が、資本主義社会以上の競争社会でしかも格差が拡大していることを示す。最後はサスペンスの要素を織り交ぜて、とてもよくできた構成の映画だった。
なぜ”少年の君”なのか?というのは後半にわかってくるのだが、少女が必死に勉強して大学を目指す過程で「世界を守りたい」と彼に言うと、彼は「君を守りたい」と応じる。このシーンは極めて印象的で感動的だ。これはこの映画が、単なる”いじめ”という現象を伝えるものではなく、世界的に深刻な虐待を白日の下に示そうとする壮大なスケールの作りての意思を感じさせるものだ。
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