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しょうもない

聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと

先の映像の中に落語の『蒟蒻問答』も紹介されているので参考にされたい。
さらにこの小さいが密度の濃いギャラリーを行くと不思議な空間が降りてくる。

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こちらは小林沙織氏の『私の中の音の眺め』。
そして驚くのは山崎阿弥氏の『長時間露光の鳴る』という作品はこれだ。

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なにもない真っ白い壁。真っ白な世界。壁の反対には渋谷通りの風景。ほかになにもない。これはギャラリーの係の方に聞かないとわからない。壁に耳につけると町の喧騒が伝わってくる。目に見える風景の音が直接ではなく、壁を介して伝わってくるという不自由さ。伝達が間接的になる世界を示すものだ。
最後に百瀬文さんの映像には度肝を抜かれる。

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耳の聞こえない木下さんとの会話で、木下さんの読心術の作用を使って、言葉に限らず、コミュニケーションの方法がどのようにもたらされるかを描いてゆく。これには驚いた。ネタバレになるのでこれ以上書くことは控えるが、今村昌平の『人間蒸発』にも似た現実と非現実のシンクロナイズされた演出に目をみはる。木下さんは唇の曖昧な動きで似たような言葉を文脈から読み取ろうとするのだ。これは例えば外国人の方とのコミュニケーションや、知らない分野の読書なども同じことだ。曖昧な部分も前後の文脈で読み取ることができる。それは会話の即効性ではなく、お互いの会話の外で起きている奇跡的な現象とも読み取れる。すごい作品だった。
百瀬文さんを囲むシンポジウムが紹介されている。

 
 

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