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しょうもない

逆境の資本主義 日本経済新聞社

日経のサイトでも読むことができる。『逆境の資本主義』。連載中から気にしていたが、本になって6月に出版された。

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まえがきに1991年、ソ連崩壊から資本主義は社会主義にあたかも勝利した、という定説に流されていびつな形に変化してきたという。もともと資本主義はイデオロギーではなく制度設計だ。資本主義か社会主義(あるいは共産主義)かという択一ではない。この本はコロナでダメージを受けた経済と人々を見渡し、著名人による現状分析と未来への提言によって綴られている名著だ。今こそ読むべき本だ。
1、さびつく成長の公式
グーグルの近くで暮らすホームレス」から始まるこの冒頭の章は、いま原油高、物価高に直面する我々日本はこれ以上に悲惨な未来を思わせる。野口悠紀雄教授は「データ資本主義」の危険性を語る。プライバシーが乱用されGAFAの独占が進む。レイ・ダリオが言うように富の集中が高まり格差はさらに広がる。(ちなみにレイ・ダリオ氏は「現金はゴミ」と主張する暗号資産支持者である。)物価は上がり所得は下がる。住む家もなくなり、大手企業に暮らすホームレスが現実になる。野口悠紀雄教授は「『トロイの木馬』を城中に招き入れた。」という。
大橋弘教授(東大)は「新独占」という言葉で警鐘を鳴らす。「競争はある種のムダだ。」という立ち位置だ。野口先生のいうデータ資本主義が公益性を崩壊させる可能性があるという。
ROE神話が揺らぐ社会についても概括する。アメリカの大手エネルギー会社が巨額のコスト削減で株主の期待に応えた直後、巨額の債務超過で破綻したそうだ。それはコスト削減で安全対策を怠ったことが大きな理由だ。株主資本主義の暴走が理由だ。
ディアナ・ブラッター(フランス)は「環境重視経営、事業拡大へ」というテーマで利益を度外視して農家を支援するという「Bコープ」認証が共感を広げている。あらゆる人を受け入れるこの姿勢は、将来の資本主義の姿をおぼろげに示しているようだ。
FRBアラン・グリーンスパンは「成長の鈍化は高齢化が原因」だと、自ら90歳を超える高齢の立場から現状を分析する。社会保障が経済を下押しする、という彼の主張はアメリカの自由主義経済のレールの上にある。彼は日本について「人口減少が成長を打ち消すだろう。」と予測する。
スタグフレーション状態に埋没する日本に成長はない。こうした専門家の分析や提言は、果たして我々の暮らしにどのような影響を及ぼすのだろうか。
 
つづく・・・

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