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しょうもない

ハウス・オブ・グッチ リドリー・スコット

老いてなお創作意欲の衰えないリドリー・スコットの作り出す家族の崩壊を映す映画。その貪欲な姿勢が凄まじい『ハウス・オブ・グッチ』は広い意味で資本についての映画だ。資本主義の当然の顛末。

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なによりもこの映画はレディー・ガガで成り立っている。『アリー/スター誕生』で俳優としての才能を見事に開花させた彼女を、このドラマのテーマである”欲望”の中心に据えたキャスティングがこの映画の勝因だろう。とにかく素晴らしかった。彼女の繊細で大胆な演技はこの映画全体を支配する。

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そして大スターである彼女だからこそ演じられるパトリシアは、大スターレディー・ガガだから成功した。ブランドものの映画が時としてそのブランドに押しつぶされる場合もある中、レディー・ガガはそのまばゆいブランドを見事に着こなし期待に答えている。そしてイタリアなまりのイントネーションも見事だった。

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この映画には大物俳優が勢ぞろいしているのだが、中でも象徴的なのはアル・パチーノだろう。彼がハリウッド映画史に残した功績は絶大だが、1972年に大抜擢された『ゴッドファーザー』をすぐに連想する。あの映画はアメリカのイタリアマフィアを描いた映画史に残る傑作だが、あのドラマとグッチの物語がものの見事にシンクロナイズするのだ。一代で名声を築いたビトー・コルレオーネとその後の家族の崩壊がこの映画のグッチ家と重なる。

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そしてもう一つは、資本という獰猛なケダモノが大きな利益に群がる仕組みが絶妙な手法で描かれる。アラビア語で会食するシーンがそれだ。いま資本の見えない部分の多くは中国とアラブ中東に集中している。それは即ちいずれもが資源国であって、エネルギーを握る国の流動資本が強さをますます増していることを示す。

家族の崩壊の歩みと、巨大資本に群がるケダモノのような株式が、この社会を狂気の中に陥れている。そういう映画だ。
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