dalichoko

しょうもない

激動 日本左翼史 池上彰・佐藤優 過激化する新左翼

お二人のお話の中で、思想的な書物を扱う書店についての紹介があったのも面白い。
そして本書は最終章に進む。
70年代に入ると敗北を認めたくない左翼思想集団はさらに暴徒化する。これは自分も子供の頃漠然とテレビのニュースなどで見ていた記憶がある。
佐藤栄作ニクソンは、日本の繊維対米輸出と引き換えに沖縄返還に合意する。川本三郎氏の『マイ・バック・ページ』でこの頃の赤衛軍について触れている。
さらに滝田栄パルチザン思想などを受けて組織化される左翼だが、このとき三島由紀夫事件が起きる。国家のために自決した三島を眼前にして、左翼には三島ほど体を張る人間がいないという敗北感に陥る。
方や革命行為を目指す暴徒化した組織は窮鼠猫を噛むように過激化し、よど号ハイジャック事件、山岳ベース事件、あさま山荘事件(視聴率が90%近かったそうだ)という大きな事件を頂点に組織は解体してゆく。その行く末が日本人の「総ノンポリ化」である。これはまさに自分だ。
学生の頃を思う。まだ立て看板の並ぶキャンパスは平和そのもので、まるで迫力がない。しかし彼らの話しを聞くと、その知性や姿勢はいずれも素晴らしくどなたもいい方ばかり。しかし彼らの戦いは我々ノンポリ世代に影響するほど組織化はされなかった。
そのうち世界はまたたく間に新自由主義経済で蔓延し、日本はすべてが民営化。甘い汁を与えて学生を中心とする社会主義活動は火種もなく消え去ってゆく。
お二人の解説で、公安の泳がせ理論にロマン主義の弱点、すなわち現実から逃避してしまう傾向が見えてくる。ノブレス・オブリージュ、高貴な者が宿命的に追う義務に追われることなく消え去った新左翼運動は、ここで一端集結する。
この後本書は、最後の締めくくりとして次巻を予定しているそうだが、それもまた楽しみだ。おそらく今後の社会主義革命や運動の可能性が示唆されるはずだ。
 
おしまい。
(=^・^=)←ノンポリ
 
 
 
 

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