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しょうもない

サタンタンゴ タル・ベーラ

生涯最高の映画体験。『サタンタンゴ』をシアターイメージフォーラムで鑑賞。
まずはこの映画を劇場公開に導いたビターズ・エンドの挑戦に敬意を表したい。内外の必ずしもマーケットに乗らないであろう名画を積極的に配給する姿勢に感謝。『サタンタンゴ』のように7時間以上もある長尺の映画は映画館にかかりにくい。その意味で配給会社と映画館の理解があってこその映画体験である。余談だが、岩波ホールが7月でなくなることに心を痛める。ミニシアターの先駆者とも言える日本の宝を失う。

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朝10時半から始まったこの映画だが、祝日ということもあって劇場は満席札止め。気づいてネット予約したときは最前列しか空いてなくて、何も考えず予約してしまったが、さすがにこの映画館の最前列で8時間近く上を向いて過ごすのは辛かった。

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それでも頑張って全編鑑賞するのだが、さすがに途中で時々眠くなる。2度のインターミッションをはさむが、昼過ぎは特に眠い。映画全体の2割程度は睡魔との戦いだ。思えばタルコフスキーの映画やベルイマンの『ファニーとアレクサンデル』でも似たような体験をしたものだ。しかし結果的に最前列で良かったことがあって、足を伸ばせることができたことだ。窮屈な席で過ごすよりマシだったかもしれない。

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最初の2時間はまだ皆さんおとなしく見ているのだが、後半にさしかかるとさすがにソワソワしだす。最後の2時間はざわざわする雰囲気が映画館に漂う。わずか100人程度の小さなシアターだが、最後はなんとなく一体感を感じさせる空気があった。このとてつもなく長い長い長い映画体験を共有した達成感と、映画の持つ思い神話性。

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映画は今から四半世紀も前にリリースされたもので、内容も社会主義政権時代のハンガリーを扱ったものなので、全く未知の世界をさまようような気持ちだが、この映画の狂気性は現代にも波及する。

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少女が猫を虐待して自らも命を断つという残虐なシーンはほかで見ることなどできないだろう。しかしこれこそ真実。誰にでもある悪魔性。まさにサタンだ。

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この映画の軸となる道。
ワンカットでつなぐこの映画は時として延々と人物が歩くシーンを写し続けて何も語らない。強風を人物の背中にぶつけるようなシーンはほかで見たことのないシーンだ。

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生きてこの映画を鑑賞できて良かったと思う。究極の映画体験だった。
素晴らしかった。
(=^・^=)

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