エクソシストを見なおした
『エクソシスト』ディレクターズカット版を見なおした。
これは現代の若者と子を持つ親、あるいは教師などが見なおすべき映画だった。
この映画の主題は「心の隙間」である。
父親不在で母親(女優)も忙しい娘リーガン。
そして母親を亡くして心の傷が癒えないカラス神父だ。
もしかするとやたらと映画に誘うキンダーマン警部(リー・J・コッブ)も寂しい人物かもしれない。
これ、現代病である。
核家族化が世界経済に莫大な影響を及ぼしたおかげで、家族の絆が失われ孤独(弧族)が広がり”甘え”が許されない社会。(「甘えの構造」)孤独な人々の心の隙間に悪魔が棲みつくのである。
それに対峙するのがマリン神父(マックス・フォン・シドー)。実は悪魔がマリン神父を呼び寄せ、対決する意思を示すシーンがある。(テープを逆回転するシーン)この時点で悪魔はマリン神父に勝利した。
なんということだろう。
こんなに現代病を如実に示した映画が当時存在したとは!
アルコールやドラックやゲームやスマホ、ぞれぞれに依存する人々は内面の心を喪失している。
オカルト、という怖さではなく、人の内面に棲む怖さである。