dalichoko

しょうもない

誰がハマーショルドを殺したか

ブロトピ:映画ブログ更新

 町山智浩さんのラジオ番組を聞くとかなり面白そうなので、すぐさまイメージフォーラムの席をネット予約する。朝10:50の回はほぼ満席で、雨の中外まで列ができていた。cold case hammarskjöld

f:id:chokobostallions:20200723163347j:plain

ネタバレ注意!

 

このドキュメンタリーをひとことで説明するのは難しい。ダグ・ハマーショルドノーベル平和賞)という国連総長の飛行機が墜落して任期中に亡くなった事件を追う記者と本作のドキュメンタリー映画監督がタッグを組んで作られた映画。

 

映画の冒頭、不自然なシーンが続く。監督のマッツ・ブリュガーがホテルの一室で白い服を着て黒人の女性秘書(別々に二人)にタイプライターを打たせているシーンから始まる。映画の進行に合わせて時々このホテル内のシーンが挿入されるのだが、これが実はこの映画の大変重要なポイントとなっている。

f:id:chokobostallions:20200723163426j:plain

ハマーショルドが間違いなく暗殺された、という前提のもとに当時のことを知る人物を探して証言を聞いて回る二人だが、全くあてどころがない。ハマーショルドの死体にスペードのエースが残されていたなど、サスペンスフルな展開で進むのだが、なかなか真実に行き着かないのだ。しかし、あるきっかけでハマーショルドの飛行機が墜落したコンゴを巡る利権で、大きな疑獄事件が錯綜していることが浮き彫りになる。それはサイマーという組織があって、彼らが信じられないような行動をアフリカ大陸でとっていた事実?が明らかになってくるのだ。


それは、

白人至上主義

という名のもとに、黒人にエイズウィルスを投与するという信じがたい行為を南アフリカ経済調査協会という名のもとに行っていたというものである。凍りつくような信じがたい事実。これはアパルトヘイトが拡大すると黒人の人口が爆発的に増えて、白人が少数派として追いやられてしまうことを危惧した古い体制の人々の残虐な行為の歴史だったのだ。


f:id:chokobostallions:20200723163454j:plain


これはしかし昔の話しではないだろう。アメリカで起こる”Bkack liles matter"運動もそうだが、コロナウィルスがもし意図されたものだとしたら、この映画のエイズウイルスと重なってくる。


f:id:chokobostallions:20200723163519j:plain


冒頭の白い服を着た監督と黒人の秘書。このいでたちは、まさに映画全体を示していた。この事実を聞いた黒人秘書の苦悩の表情が深く痛み入る。こんなことがあったのか!事実を知らされた黒人秘書の衝撃。

 

映画はハマーショルドから遠く離れて全く違う展開で進行しながら、最後の最後でハマーショルドがアフリカの民主化を推進しようとした第一人者として危険な状態で職務にあたっていたことを余韻として残す。すさまじくも恐ろしい現実。色で振り分けられた差別。

 

 

 ★

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログ 日本全国食べ歩きへ
にほんブログ村

 

ブログランキング・にほんブログ村へ

 
 ★