逃亡者 The Fugitive
テレビは全くといっていいほど見ない主義なのだが、今回は日本に数少ない国際俳優が2名出演するというので『逃亡者』を”必死に”見てしまった。そう、大昔ウィリアム・ワイラーの『必死の逃亡者(The Desperate Hours)』という映画もあったが、あれとこれはまるで違う。
雑談だが、逃亡者で映画検索するととてつもない数がヒットして、邦題で逃亡者とされる映画は参考までに以下のとおり。
逃亡者(1944) ジュリアン・デュヴィヴィエ(原題:Imposter)
逃亡者(1947) 仁科紀彦
逃亡者(2003) エンリック・アルベリッヒ (原題:MAR ROJO)
逃亡者(2008) ジョージ・メンデラック (原題:Desperate Hours)
逃亡者(2012) ロバート・レッドフォード (原題:THE COMPANY YOU KEEP)
(以上、KINENOTEより)
おっと、どうやらマイケル・チミノの逃亡者は”必死”なほうのようだ。2008年版も然り。それにしても逃亡者が多いこと多いこと・・・
当然のように逃げる側には”負い目”があるから隠れることになる。そして追うほうは必死で”容赦しない”。この負い目と容赦しない関係が緊張感を醸成する。
もともとテレビシリーズ、デビッド・ジャンセンが活躍した『逃亡者』は1963年なのでまるで覚えてるはずなどないが。ハリソン・フォード版の『逃亡者』は確かどこかの映画館で見たような気がする。いまでこそ缶コーヒーのCMで宇宙人になって笑いをとっているトミー・リー・ジョーンズだが、この時は悪役の刑事役であった。刑事が悪役というのも微妙だが、極めて強烈な印象を残した。このThe Fugitiveでインパクトを残すのは、掲示と義手の男だ。この二人の存在が逃亡者を追い込んでゆく。
今回、時代を現代に置き換えて日本を舞台にした逃亡者は、テクノロジーの進化もあり、なかなか見ごたえがあった。二人の主人公は言うまでも強い存在感を示し、2夜連続で見るものをくぎ付けにしたことだろう。ことによると逃亡者と追跡者を入れ替えても、十分ドラマになりそうな気もするが、特に豊川悦司さんの”容赦ない”姿勢が強烈だった。気に入らなければ上司でも撃ち殺そうとする暗黒の正義感。これは日本にはなじみ難い部分だが、ことによると世界の正義が逆回転を始めていることをほのかに示そうとしているのかもしれない。善と悪が瞬く間に変化する世の中を、我々はときどき目の当たりにする。
なかなかよくできていたと思う。
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