今年のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した傑作。
南アフリカの激流が交差する大西洋を目の当たりにする作者の家が舞台。マダコに恋をする男の話、しかもドキュメンタリーである。真実の物語。
このように貝の塊のように身を隠すマダコ。このタコを彼女と称して物語は進む。海の底に生きるタコの生涯は短く1年後には子供を産卵して自らの命を終える。そこに至るまで300日間。最初警戒していたタコが次第に人間に接触しよとしてくる。
マダコの生体に迫る映画で驚くべきことばかりだ。まずタコの意識が8本の腕にあって、かなり高い能力をもっていること。猫と同じ程度の知能があり、外敵から身を守るためにあらゆる手段を使う。2000個もある吸盤を駆使して。
最も衝撃だったのは、サメに追われるシーンだ。サメは嗅覚を生かしてタコを追う。彼女は足を食べられてしまうのだが、しばらく岩陰に身を隠し、しばらくの間鳴りを潜める。
撮影者はタコがサメに追われるとき、サメを追い払おうかと思ったそうだが、それはしなかった。それは自然の摂理に逆らうことだからだ。そしてタコは失った足元から新たな小さな足を蘇らせてゆくのである。自然の驚異。生き物のすごさを感じるシーンだ。
タコを追う1年の中で、タコとの信頼関係を気づいた作者は、ここで何を言おうとしているのだろうか。
種の異なる生物が生きて死んでゆく。特に産卵を終えて静かに自らの力を失い死んでゆくタコは、ほかの生物の食料となって消えてゆく。自然界の中で死をもムダにしない社会。そして我々人間だけが独善的に生命を食い物にして生きながらえている。壮大なラブストーリーを描きつつ、人間社会への警鐘を鳴らすような映画。素晴らしい映画だった。
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