ファーザー THE FATHER
『ファーザー』を浦和で鑑賞。
監督はフランス人のフロリアン・ぜレール。映画の中でもパリについて触れられているのはこの人のって舞台劇がベースとなってるからだ。これが初めての映画作品となる。
アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンが共演するというだけで、この映画の価値は保証されたようなものだが、結論からいうと芳醇な味わいある映画を堪能したということだ。素晴らしかった。
認知症を患った父親の目線で描かれるこの映画は、まるでホラーかサスペンス映画のようだった。何しろ娘だと思った人が次の日には別人に成り代わっているのだ。そして別れたはずの娘の夫が出てきて悪態をついたり暴力まで奮ったりする。ヘルパーの女性も次から次へと別人になる。これがもし本当なら、周囲も大変かもしれないが、もっとも大変なのは本人であろう。
主人公がこだわるのは腕時計だ。前のヘルパーが腕時計を盗んだという話を娘にするシーンから始まる。そして密室劇で進むこのドラマは、主人公が目覚めたりドアを締めたるする瞬間から周りの人物が入れ替わってゆくという構成になっている。ここは本当に怖い。
『羊たちの沈黙』で世界を震撼させたレクター教授がこのように老いて狂気のような状態となり、『女王陛下のお気に入り』でわがまま放題だった女王が老いた父親に翻弄させられる様はなんと皮肉なことだろう。ベネディクト・カンバーバッチの『シャーロック』で兄の役マーク・ゲイティスが出番は少ないが重要な役で出てくる。唐突に現れた彼が何者か?を最後の最後まで明かさないところがこの映画のミソだろう。この老人が最後にどうなるのか?『明日の記憶』や『愛、アムール』と重ねて思いを寄せる映画だ。
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