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しょうもない

ウィロビー家の子どもたち The Willoughbys

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原作者のロイス・ローリーは児童文学者だが、子供や若者向けの小説の内容がディストピアを暗に題材としているため、訴訟になったり図書館から排斥されたり、かなり過激な内容が多い女性作家だ。中には性同一性や差別、偏見などの内容を書いたりしているらしい。彼女のこうした辛辣な社会に対する批判的な姿勢は、どうやら幼い頃に父親の仕事の都合で世界各地を転々として(東京にも住んでたらしい)、その時の孤独を補うために読書が好きだったことなどが要因と言われている。作家に転身してからは、子供向けと思わせながら実は辛辣な社会批判、特に文明社会における非人道的労働などをほのめかす作品も多いらしい。

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これはロイスが2008年にリリースされた児童向け小説。この話しに入る前に、昨日たまたま鑑賞した『クルエラ』がこちらの映画と同じ題材を抱えてることに驚く。詳しくはネタバレになるので書けないが、あちらの映画の最後のどんでん返しで、秘密が暴露されるのだが、それが世界のトレンドなのかと感じさせる。(自分も他人のことは言えないが・・・)

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古くからある由緒ある家庭が中心。子供は4人。しかし親はまるで子育てに興味がなく、子供は悪魔だと思っている。子供を生んで置きながら子育てを拒否して、屋根裏に閉じ込めてしまう。この家は両隣が巨大なビルに挟まれていて古い屋敷で時代遅れのように示される。ディズニーの短編にもなった『ちいさいおうち』のイメージだ。

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この代々かた伝わる家の夫婦は自分たちのことばかりが優先して、子供には全く興味がない。つまり家はもともとそこに勝手に存在するものだ、という無気力感。子供は親に何を言っても拒否される。長男が思いついて、親を海外旅行に追い出して、自分たちだけで自立した生活をしようとするドタバタ喜劇なのだが、これほとんどというかまったく笑えない。

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親が旅行中の世話をさせるために雇ったマニー(お手伝いさん)は、彼女もまた孤児だったこともあって、この4人兄妹たちを助けようとするのだが、なかなか信頼されない。この間、親が旅行中に金を使い果たしたため、家を売ろうとするという展開になって想像を絶する状態に突入していく。それでも子どもたちは親の必要性を認め、旅行中雪山で遭難した両親を助けに行くのだが、そこでもこの両親は子どもたちを置き去りにして自分たちだけ飛行船に乗って逃げてゆく。

 

救いのないドラマは、ある種現実を示している。

 

親の子供に対する愛情が希薄なのは万国共通らしい。人が動物としての自覚を失ってゆく社会。人口減少の理由を教育に置き換える説もある。知性や科学の発達などが社会を進化させる反面、本能的な子孫反映、子供を守り育てて未来を育むという姿勢が失われてゆく。逆に貧しい家(あるいは国)が子沢山(人口増)なのはなぜか?と考えると、先進国のジレンマが透けて見えてくる。

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ロイス・ローリーの示唆は自分にも当てはまる。彼女自身も4人の子供を抱えて離婚を経験している。

(=^・^=)

 

 

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