もう終わりにしよう。
ちょっとこれ、難しかった。わからなかった。どう感じていいのかまるでわからなかった。もしこれを徹底的に理解したいなら、町山智浩さんの映画ムダ話を聞いていただくほかない。とてもじゃないが、かなり繊細な知識と集中力がないとこれは難しいと思う。チャーリー・カウフマンの狙いが何か?という映画だ。
そこでここでは、自分が感じたことと、ネタバレにならない程度に町山智浩さんのお話を聞いて得心が行った部分をごちゃまぜにしてまとめることにする。もう何を書いても受け売りになってしまうのは間違いない。例えばこの壁紙もこの映画をひもとく大きなヒントになっている。よくこの模様を見ておくといいかもしれない。
この写真もある意味で象徴的だが、最後のテロップが流れるシーンにも似たように雪に埋もれたシーンがある。これはある人物の心境をしめしているらしい。ワーズワースの『ルーシー』という歌が意味をなすが、ワーズワースはこの歌をドイツで雪に閉じ込められたときに書いたらしい。
主人公の女性の一人称で進むドラマだが、迎えに来たボーイフレンドの車に乗って彼の家に向かう間の会話がよくわからない。『サトラレ』という漫画を映画化したドラマがあったが、最初そういう映画なのかと思ったがそうでもない。
彼女が訪れた彼の家族もまたおかしな家族で会話が成り立たない。そして両親が突然老いたり若返ったり、そして気になるのが犬だ。犬がクビをいつもぶるぶる振り続けている。そしてこの犬の名前が刻まれた壺。これらのシーンに難解な会話が延々と繰り返される。この会話の意味、そして彼の家の彼の部屋に並ぶ本棚をよくみるとようやくうっすらとこのドラマの構造が見えてくる。ブレイクロックの絵画もまた意味がある。
そして最も気になるのが、時々ドラマに現れる学校の用務員。この人物が誰か?というのがこの映画最大のポイントとなっている。ここを知ることで、この映画のすべてがわかる。そういうドラマなのだ。
補足として、この映画を知るうえで情報として心得ておくべき内容は、以下の通り。
1、ミュージカル『オクラホマ』
2、『ビューティフル・マインド』(ロン・ハワード監督)
3、『こわれゆく女』(ジョン・カサヴェデス監督)
以上のほかに、ワーズワースやアンナ・カヴァン、あるいデヴィッド・フォスター・ウォレス(この人は自殺しています。)などについて予備知識があると、とてもよくわかる。評論家のポーリン・ケイル(本棚に出てくる。)も知っておくといい。エミリー・ディキンソン(生涯引きこもり)の詩などはカウフマンを理解するために知っておくといいようだ。
このシーンは極めて感動的なシーンだが、これらの背景がわからないと意味がわからない、唐突に演じられるダンスシーンは美しいのだが、わからない。
ロッテンパーフェクトマウス。
この映画の中で、最も衝撃的なセリフは「人の思考は自分のものではない。」というものだ。これは衝撃だ。自分が自分ではないという否定は哲学的だが真実だ。三嶋喜美代さんの作品にもあるが、情報が溢れるようなこの世の中で、本当の自分は誰なのか?を自ら自覚できるだろうか。全ては誰かから聞いた話であり、どこかで見た話でしかないのだ。自ら生み出した思考などないのだ。すべては受け売りなのだ。あなたもわたしも所詮ニセモノなのである。
もう終わりにしよう。
(=^・^=)
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