現代美術館で見逃したマーク・マンダースの作品が一部残っているとのことで、
横尾忠則展の流れで見ることができた。とても良かった。

マーク・マンダースが提示した”不在”を示す一連の展示には、時間の概念が示されている。そして時間に応じて生み出されたものの朽ち果ててゆくものの対比をひとつの作品に封じ込めようとするこころみだ。これは”未完成”ではなく”不在”ということのようだ。


”未完成”の概念は、芸術や文学や音楽の世界で示されてきた。そのいずれもが晩年の作品で絶筆であったりしたものを復元するものだった。しかしマンダースは現役のアーチストとして”不在”という概念を壮大なスケールで示す。言うまでもなく”不在”の対岸には”存在”がある。



作りかけの作品か、出来上がった作品が朽ち果てたものかを両面から提示することで時間の概念の行き来する。まるでノーランの『テネット』のようにも思える。


このスケールであらゆる概念を提示するマンダースの謎めいた提示にただただ唖然とするばかりだ。


見えないものを見せつけられているような感覚は、まるで
パンデミックに混乱する人類への啓示のようでもある。その偉大な作品群に押し寄せてくる感動に浸る。
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