ミュージカルというだけで得した気分になる。
ボリウッドがハリウッドに逆輸入されたような映画。そして移民を襲う現代の
ハイパーインフレなども問題にしている。『イン・ザ・ハイツ』に感動!
この映画の魅力は、とにかく映像を駆使したミュージカルシーンだろう。ミュージカルのモブシーンではインド映画が最先端だが、もともとはハリウッドMGMのオハコ(十八番)だった。それをこの
ラティーノの映画は復刻させている。これらのシーンを見るだけで楽しい。

この映画に見覚えのあり俳優はいない。そしてほぼ全員が
西インド諸島出身者のラテン系で構成されている。主に二組の
カップルと彼らと関わりのある人々で構成されるドラマなのだが、圧倒的な迫力で描かれてゆく。

主人公のウスナビがビーチで子どもたちに語りかけるシーンから始まるこの映画、彼と彼らがニューヨークでどれほど厳しい立場にいたかを細やかに示してゆく。移民で構成される
アメリカという国のニューヨークの片隅で、先代が築いてきたステータスが崩壊寸前であることが示される。インフレでこの街にも住めなくなっている彼らの立場を描く。

住みにくい
アメリカを離れて故郷に帰るかどうか、というのが彼らの悩みだ。このまま
アメリカに残るかどうか。
アメリカの社会で虐げられた彼らのことを明るく描く反面、差別や偏見が彼らにも切実な問題であることが示される。

この感動は映画館でしか味わえないのではないだろうか。この迫力。CGを使った建物の外壁で踊る二人のシーンなどは腰が浮くような浮遊感。彼らは偏見の中で生きようとする。それは重力に逆らおうとする意思を示すシーン。
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