前作の『
スーサイド・スクワッド』をあわてて鑑賞して映画館に向かう。前作は正直言ってあまりしっくりこなかった。犯罪者集団を国家の防衛に使う、というところまではわかるのだが、何を敵にしてなんのために戦うのかがさっぱり理解できなかった。

そして今回もまたそれは同じだ。20世紀フォックスが送るDCシリーズを素直に楽しむ、というだけの映画だ。そこに新しさはない。

しかし
マーゴット・ロビーはいい。すごくいい。彼女が囚われて逃げるシーンはとてもドラマチックだ。この映画、とにかく血しぶきがばんばん飛び散る極めて残酷な映画なのだが、そのベースには真っ白い肌に赤いドレスをまとった
マーゴット・ロビーの存在ありきである。とにかく彼女の存在なくしてこの映画は成り立たない。何も考えず本能の赴くままに人殺しをする女。ただそれだけだ。

あとは、この映画、驚くようなキャスティングが施されている。この写真の中に、あのスーパースターが隠されている。この写真だけではまるでわからないが、とんでもない役であのスターが出演しているのだ。ほかにも
カメオ出演で大勢のスターが集結している。ちなみに『フリー・ガイ』で悪役を演じたキウイの
タイカ・ワイティティもちょい役ででている。

さらに、とてつもない
カイジュウが現れる。このくだりは災害をイメージさせつつ、
アメリカ国家の隠蔽体質へと掘り下げられてゆくところが誠実だ。この
カイジュウを
アメリカ政府は第三国に隠していた、というオチが待っている。このクライマックスはすごい。

とにかくはじけるような面白さ。この遠慮のない殺戮は、子供が見る映画ではなく、オトナが感じる映画なのだ。想像を絶する展開と、つぎつぎに飛び散る血しぶきを見て、自らの愚かさを認識させる映画である。傑作だ。
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