新世界秩序と日本の未来 新冷戦の世界で日本は?
第4章は「新冷戦の時代」です。
トランプで分断に揺れたアメリカは、バイデンに交代して「国際協調」を発信していますが、これもまた日本にとっては極めて危険だと内田樹さんは言います。同盟国への役割分担は日本の集団的自衛権を行使することで、すなわちアメリカ軍の一部としてオペレーションされるということになると。
軍事的な話題も興奮します。
核開発を競う時代は終わり、ハッキング技術を競うのが現代の軍事競争に変わっているそうです。国防予算の多くはAIに向けられているらしいですね。それは、核爆弾のボタンを押すハッキングをすることが軍事的主導権を握ることだからなんですね。すごい時代ですね。アメリカが核開発を公表する北朝鮮と適度な関係にあるのは、ハッキングできるまでの時間稼ぎなんですと。へぇ〜
あ、それでアメリカは日本をどう見ているかというと、極東のイスラエルぐらいにしか思ってない。しかも米軍が沖縄に居座るのは、そのことで日本の閣僚や官僚が潤うからなんですよ。沖縄から米軍がいなくなると彼らの利権がなくなるから。しかも在日米軍もゴルフ場の経費まで日本に持たせるなど、駐留経費をどんどん日本に押し付けている。
これで独立国家と言えるのでしょうか?
最後、第5章は「米中の狭間で日本は?」
東京裁判で戦犯とされた25人の証言で異口同音に「戦争を望まなかった。」と言っていて、そのことにGHQは大いに混乱したみたいです。戦争を推し進めた全員がその責任を回避するわけです。ここに「空気に逆らえない」日本のマインドセットが厳然と存在して、戦後75年経っても全く変わっていない。ここは自分も含めて実感します。自分自身も逆らえない空気を日頃から感じて生きてます。
こうした文脈で、日本はもう縮小すべきだと話します。大いなる後退。まさにグレイスフル・デクラインですね。
日本がいつからこのような成長を盲信する国になったか?明治維新には後退や撤退に美学があった。それが失われたのは日露戦争後だと言います。これも驚きですが、日露戦争で日本が勝てたのはニューヨークのユダヤ人銀行家ジェイコブ・シフのおかげらしいです。日本の公債を引き受けてばんばん金を流通した。シフにはロシア帝国に親族を惨殺された恨みがあったらしいんですね。
三四郎「日本もだんだん発展するのでしょうね。」広田先生「滅びるね。」
この短いやりとりは夏目漱石の先見性でしょう。満州事変から関東軍が暴走して第二次世界大戦へとつながる”空気”を広田先生は見据えた。内田樹さんは「国家理性」という言葉で哲学的、道徳的にこの対談を締めくくります。
「国家の必要」は必ずしも「民衆の必要」にならない。民衆(支持率など)におもねる政治では理性を失うだろうと警告しているわけですね。ポピュリズムというジレンマ。
ドイツのメルケルが、難民受け入れを国民が大反対しているのに、断固として受け入れを進めた、という姿勢と日本のそれはどう重なるでしょうか。
危険社会ニッポン!このままでいいのでしょうか?あのクソジジイどもに政治を任せてい大丈夫なのでしょうか?本当に。選挙が近い。よく考えよ!そこのあなた!
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貼りました。みつけてみてくださいね。