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しょうもない

THE BATMAN ザ・バットマン マット・リーヴス

THE BATMAN ザ・バットマン』を高円寺に行く前、西新井で鑑賞。
思えばティム・バートンが1989年に復活させたバットマンシリーズはまさにティム・バートンワールドで、技術的な表現に加えてジャック・ニコルソン演じるジョーカーというキャラクターで成り立った。あの映画のおかげで、その後のシリーズで活躍(?)する悪役を多くのスターが演じる道筋を作ったと思う。
そして2005年にノーランが再び復活させたバットマンもまた、『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーが頂点となり、2019年にホアキン・フェニックス演じたトッド・フィリップスの『ジョーカー』で一定の成果を得る。悪役がなぜ存在することになったのか?というテーマは、今回の『ザ・バットマン』にもそっくりそのまま受け継がれている。

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さかんにいわれることだと思うが、こういうヒーローものの面白さは善悪の境がはっきりしていることだ。しかし本作も『ジョーカー』も、善も悪もそれぞれがいつ入れ替わるかわからない、という怖さがある。リドラーのなぞなぞを掘り下げることで、ブルース・ウェインは自らの出自にまで遡ってバットマンの使命と拠り所を探ろうとする。いわば新人バットマンの自己確認である。

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その意味で、彼がなぞなぞに惑わされそうになって、その怒りの矛先を見失うシーンはとても印象的だ。監獄の面会室はまるで黒澤明監督の『天国と地獄』だ。檻の向こう側とこちら側という善と悪は対立するものでありながら時として同期する。その怖さがこの映画の魅力だ。映画の中でゴッサムシティが汚職にまみれた都市であることが何度も示されるが、ここはまるで空想ではなく現実のようにも思えてくる。どんな手段をとってもはびこる増殖するテロリストに政治は無力である。そしておとずれる恐怖の瞬間、

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この映画が311に公開されたのは偶然か意図的かはわかりかねるが、いずれにしても無策の政治を側面から支えるバットマンですら、怒りで全てを破壊してしまうというジレンマ。それがこの映画の言わんとするところではないだろうか。
 
 

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