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しょうもない

アダム&アダム ショーン・レヴィ

原題は”The Adam Project” Netflix映画『アダム&アダム』鑑賞。

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高額ギャラランキングでドウェイン・ジョンソンと上位を争うライアン・レイノルズが『フリー・ガイ』に続いてジョーン・レヴィ監督とタッグを組んで作ったSF映画。ハルクのマーク・ラファロが父親役で登場する。正月に鑑賞した『ダーク・ウォーターズ』とは全く異なるキャラで好演。子役のウォーカー・スコーベルがとにかく美しくて演技も上手で舌を巻く。


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いわゆるタイムリープものだ。

冒頭、とてつもない宇宙船の迫力あるシーンから始まるこの映画は、これまでのタイムリープものと明らかに異なる点として、過去の自分と直接対話する。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの異空間ものでは、自分が自分と会うと歴史が変わる、というサスペンスだったが、ここでは堂々と自分に会って話をする。そして12歳の子供に大人のアダムが、自分の未来を話してしまったりする。挙句の果てに子育てで悩んでバーで飲んでいる母親や、父親が開発したタイムリープの機械を破壊するため、直接父親に会って説得したりもする。そしてここからは倫理の話に展開してゆく。

マーク・ラファロ演じる父親は、歴史を変えてはいけないと解く。しかし未来の2050年から来た息子のアダム(ライアン・レイノルズ)は未来で追われる身なので、父親に機械を破壊するよう強要する。このジレンマ。これ実は『ダーク・ウォーターズ』で展開したマーク・ラファロが取り組む環境問題などもチラつく話だ。過去は消せない。過去から汚染された環境を変えることはできないという現実。過去、現在、そして未来という時間軸において、この映画が掘り下げようとする倫理観は意味深い。主人公の名前をアダムとしたのも、悪魔に囁かれて禁断の果実に手を出したアダムとイブのアダムだ。そしてこの映画の孤独な少年はアダムであり、未来から舞い戻ってきた大人のアダムもまた聖書を意識させる。

これ以上はネタバレになるので結末は避けるが、個人的にこの映画で最高に興奮するのは要所で使われる音楽である。ピンチになって二人のアダムが戦うシーンでレッド・ツェッペリンの『グッドタイムス・バッドタイムス』のイントロが流れてきて絶叫。そしてなるほどこの曲の歌詞が二人のアダムにシンクロナイズする。ちょっと長いが引用する。

In the days of my youth, 
I was told what it means to be a man,
Now I've reached that age, 
I've tried to do all those things the best I can.
No matter how I try, 
I find my way into the same old jam.

まだガキだった頃
一人前の男になる意味について教わったのさ
今や俺もそんな年になって
やれるだけのことはやってきたんだ
どんなに頑張ってみても
状況はいつもと同じで変わりやしないんだ

(略)

I know what it means to be alone, 
I sure do wish I was at home.
I don't care what the neighbors say, 
I'm gonna love you each and every day.

You can feel the beat within my heart.
Realize, sweet babe, 
we ain't ever gonna part. 

孤独ってどういうことかわかってるけど
俺は家にいたいって強く思うのさ
ご近所さんがなんと言おうと気にしない
毎日毎日おまえを愛してやるんだよ

俺の心臓の鼓動が聞こえるだろ?
わかってくれよ 可愛いベイビー
俺たちは決して離れられないんだ…


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さらには、ボストンの曲なども最後のあたりで流れるなど、映画のストーリーに合わせて、我々1960年代生まれが興奮する楽曲を当てこんでくるあたりが実に憎い。

こういう新作映画が手軽に家で見ることができることを有り難いとは思うが、何しろ我が家の小さなテレビでは戦闘シーンの迫力は伝わりにくい。映画館でもぜひ上映してほしい映画だ。

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最後に・・・

自分には親の愛情を感じることがない。残念ながら親に捨てられて記憶すらもない。父も母も気持ちの中に存在しない。さらに悪いことに、自分が築いた家族すら捨てた自分には血の繋がりによる理屈抜きの愛情が欠落している。だからこそこの映画で父親のマーク・ラファロが息子のライアン・レイノルズに「理屈抜きで感じろ」と親の愛を強引に説明するシーンはもう涙なくして見ることができない。この感情はなんだろう?憧れか悔恨か・・・

 

 

 

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