dalichoko

しょうもない

ボブ・マーリー ReMastered: Who Shot the Sheriff?

2018年にネットフリックスでリリースされたボブ・マーリーのドキュメンタリーを見た。


www.youtube.com

ボブ・マーリーについてここで語ることはしないが、なんというか昨日の大島渚の映画が異常な反響を寄せていたりすることとボブ・マーリーが注目を浴びる現象は親しい気がする。政治もだめ、国民もだめ、メディアはクソだ。そんな時代に楔を打つという姿勢をどこか人々は忘れている。

 

例えば、

 

「日本が世界で最も報道の自由が失われた国である。」といえば「ウソつけ、北朝鮮のほうがひどいだろう。」と反応する愚か者がこの国に1億人いる、ということなのだ。何しろ「表現の不自由」を示す芸術にときの政治家が口を出すという国である。あのとき日本は終わったと思った。その政治家に対してというよりも、あの下品な政治家を選んだ人々がもう終わっているという意味だ。

 

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www.youtube.com

このドキュメンタリーは、選挙で二分するジャマイカの政治を和解に持ち込もうとしたボブ・マーリーを世界中が注目し、彼の動きを警戒していたということが語られる。なんとCIAまでが動いていたとは驚きだ。

彼は何度も銃弾を浴び、命をかけて彼のメッセージとともにムーブメントを起こしてきた。そんな彼を政治が警戒していたという歴史の恐ろしさ目の当たりにする映画である。

(=^・^=)

 

 

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アンモナイトの目覚め AMMONITE

 
 
素晴らしい映画だった。一部では『燃ゆる女の肖像』の二番煎じみたいなことも言われているが、似ている部分はあるとして、この映画には全く違う価値が存在すると思う。
ケイト・ウィンスレットシアーシャ・ローナンというだけで映画館に行く価値のある映画なのだが、なんとこの2人は映画の中でほとんど会話をしない。特に前半は全く会話もしないし表情もない。お互いがそれぞれに”なにか”を抱えている。それをセリフ抜きで表現するというところがまずすごい。ケイト・ウィンスレットにとってはウディ・アレンの『女と男の観覧車』とは真逆の演技。シアーシャ・ローナンも『若草物語』では想像もできないような演技。

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このシーンが好き。2人が何も会話しないで海を見つめるシーン。そしてずっと表情を頑なにしていたメアリー(ケイト・ウィンスレット)がシャーロット(シアーシャ・ローナン)を笑顔で海にいざなうシーンがいい。とてもいい。映画なんてたったひとついいシーンやいい言葉があれば成立するんだと思う。この映画は極力セリフと音楽を除外して自然の音、風や海、鳥や虫の声を折り重ねる。そして小さな昆虫などのクローズアップを写して、人の社会の愚かさを示したりする。なんというセンス。

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大英博物館でメアリーが振り返るこのシーンもいいね。額縁に囲まれるメアリーの肖像。なにしろあの『タイタニック』で世界中を愛に包んだローズ(ケイト・ウィンスレット)が、こんなに手を汚して無表情で過ごす寂しい女性を演じるなんて1990年代に想像できただろうか。メリル・ストリープの正当なる後継者と言っても過言ではない演技力。

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シアーシャ・ローナンも『マンハッタン』からずっと追いかけている。彼女はある意味で自立した女性を演じ続ける。この映画では夫から虐げられて病気になった彼女をメアリーが救う。そしてこんどはメアリーのために尽くそうとする気丈な女性を演じている。

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戦場のメリークリスマス 4K修復版

戦場のメリークリスマス

公開された1983年も見たし、その後映画館やビデオなどで何度も見た。

そしてまた今回、この映画を映画館で鑑賞して多くのシーンに涙する。

 


www.youtube.com

 

 

ほとんどたけしさんがこの映画をリードしているとしか思えない。たけしさんの下手くそな演技がこれほどマッチしている映画が存在するのか?デヴィッド・ボウイトム・コンティも素晴らしいのだが、当時ド素人のたけしさんと坂本龍一さんでないとこの映画は成立しない。今見ても、この2人の演技にハラハラする。あまりにも下手すぎて。

でも、

それでもこれは間違いなく歴史に残る傑作である。

そして同じ時代にこの映画を何度も見てきた者として、どのシーンにも思い入れがある。ジョニー大倉さんや内田裕也さん、そして内藤剛志さんはこの映画の再上映に寄せてこのようなコメントをされている。

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この映画の普遍性は単なる同性愛とかなんとかいうことだけではないだろう。この映画の根底に隠された本当の戦争に対する大島渚の考えは、ほかにあると思う。いまあらためてそう思う。日本の武士道は八紘一宇思想などを理解しようとしない外国人との対峙が、彼らの内面にも自意識を疑うような感情が揺れ動くシーンがいくつもある。

大島渚はテロリストであり革命家だった。その大島作品をいま見る価値は必然だと思う。

(=^・^=)


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JUNK HEAD 今すぐ映画館へ!

いやぁ、ついに見てしまった!『JUNK HEAD
ストップモーションの怪獣映画やSF映画は過去にいくつも作られた。そして昨今は3Dの時代となり、近々公開される『コングvsゴジラ』だって全部コンピューターだ。そんな時代に敢えてストップモーション長編映画を作るという姿勢がまずすごい。
そしてなんと7年という歳月をかけて作られた映画は、これまで想像したことのない未来。1980年代にリドリー・スコットが突きつけた『ブレードランナー』の世界をさらに超越させたドラマとして仕上げているのだ。
日本映画なのに全編字幕というのも刺激的だ。
今回の大ヒットで3部作の続編も予定されそうなので、ここは歴史的な1作をぜひ映画館で見ておくべきではないだろうか。もう面白くて面白くて、またみたい!
(=^・^=)

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大東亜戦争 大島渚

フェアウェル』を見に行ったとき、大島渚の特集がシネマヴェーラ渋谷で行われると聞いて、1本ぐらいは見に行こうと思っていた。この日の夕方に落語の予定があったので、その前に見るのこの『大東亜戦争』となる。日本テレビで放映されたノンフィクション劇場からの作品だ。初見だ。
いくつか驚くことがあるが、最も驚いたのは会場の熱気である。大勢のお客さんがぎっしり。

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この大勢のお客さんがこのドキュメンタリー映像を真剣に見ている空気に圧倒される。この映画(ここではこれを敢えて映画と称する)は、当時のニュース映像をそのままつないでいるだけで、これらの映像に何もコメントしない。作り手の意見や、この映画が作られた時代(1968年)からは何も語らないという作りになっている。

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そしてこの語り口に惹き寄せられてゆくうちに、軍国主義の日本人そのものになってゆく自分に気づいてドキッとする。”君が代”や”海行かば”が流れてくると涙がこぼれ、当時の人々と同じ感覚になってゆく。特攻隊として見送る立場であったり、少年少女の行進などをまるで自分のことのように思えてくるのである。

映像を見せて、見る側にシンクロさせてゆくという手法は大島渚の特徴とも言える。例えば『新宿泥棒日記』や『夏の妹』などがそれだ。主人公の少女をレイプしたいという気持ちを誘引するような展開にどぎまぎする。これは後の『愛のコリーダ』や『愛の亡霊』、その果てに遺作となる『御法度』までつながるものではないだろうか。大島は常に禁断のテーマを突きつけて見る側を脅迫するようだ。


www.youtube.com

大島渚研究の大作を作られた樋口尚文氏の言葉にもある通り、大島渚作品はひとつとして同じものがない。これだという作家性をほとんど無視して、変化し続けることを生涯のテーマとしていたようだ。それは奇しくも『戦場のメリークリスマス』のデヴィッド・ボウイと同じだ。

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そしてこのドキュメンタリー映像は、日本が大東亜共栄圏を死守して滅びてゆく過程を、ドラマ性を拒絶するように描かれている。戦後、戦争を語るのは容易いことかもしれないが、戦時中の日本人になってこの映画を見ると、愚かな行為も受け入れるようになってしまう。プロパガンダの恐ろしさを見事に語り尽くす。さかんにナレーションされる「大本営」という言葉は現実となる。

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さらに忘れてはならないのは、この映画がいま我々の現実までも写しているということだ。我々はコロナのことをほとんど知らされていない。オリンピックのこともワクチンのこともまるで知らされていない。こうした報道についてメディアは政治とべったりくっついて受け手の立場を見ていない。そんなことを気づかせてくれる映画でもある。あらためて大島渚の先見性を感じる。21世紀の日本は、大東亜戦争時と同じメディアに騙されていて、それを誰も知らないという悲しい現実に浸っているのだ。
(=^・^=)
 

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隔たる世界の2人 Two Distant Strangers

Two Distant Strangers 隔たる世界の
2人 32分
 
アカデミー賞の短編部門でノミネートされている。キーワードはジョージ・フロイドだ。すごいのは、このフロイド事件が起きた昨年5月のあと、2ヶ月で企画があがり4ヶ月後の9月に5日間で撮影したというから驚く。短編とはいえ、映像や音、音楽など工夫が施されていて美しい。
 
要するにタイムリープものである。
時をかける少女』や『アバウト・タイム 愛おしい時間について』とここは大きく変わらないのだが、『See You Yesterday』がしっくりくる。主人公の少女の兄が何度も何度も警察に殺される。なんとか兄を救おうとボーイフレンドとともにタイムリープを繰り返すという話。それに『デトロイト』を混ぜ合わせたような話。

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主人公の黒人男性は一夜を過ごした女性の部屋から朝、自宅の犬(黒いブル)の世話をするために帰る。アパートを出ると入ってくる白人男性、歩道を通り過ぎる白人女性、目の前にいる売店の女性はラティーノか。そこで白人景観から職務質問を受け、反抗的な態度をとったといいがかりを受けて首を締め付けられて死ぬ。
すると目が覚めて・・・
と何度も同じ朝を繰り返し、ついに彼は勇気をもってその警察官に自ら近づき自宅までパトカーで送ってもらう。このパトカーの中の会話は哲学的で現実的だ。黒人は生まれたときから不利だ、というような話をしつつ、この恐ろしい警官と親しくなる。

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ここで映画の中に何度もジョージ・フロイドの文字が現れては消える。家の前でパトカーを降りて2人は握手をして別れる・・・が、それでもまだ終わらない、という展開。フェリーニの『アマルコルド』や『エヴァンゲリオン』のTVシリーズのラストのようなオチがここで待ち受けている。すごい展開だ。短い映画なのによくこれだけのクオリティで映画が撮れたものだと感心するのだが、内容もまたとてつもなく面白い。しかしこの際内容などはどうでもいいと思わせる。この映画が出来上がるまでに何が起きたのか?という背景は、アメリカの歴史が大きな端境期にあることを示すのだ。

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もしかすると、アメリカという国が分断するのをコロナという疫病が阻止したのかもしれない。そんなことまで思わせる素晴らしい映画。映画は黒人への偏見だけでなく、格差社会なども匂わせる。それはブルース・ホーンスビーのこの曲に秘められてたりする。

They say he little boy you can't go
Where the others go
'Cause you don't look like they do
Said hey old man how can you stand
To think that way
Did you really think about it
Before you made the rules
He said, Son
 
That's just the way it is
Some things will never change
That's just the way it is
But don't you believe them
 
Bruce Hornsby & The Range " The Way It Is""

 


www.youtube.com

もうこの辺からブログを書いていても涙がこぼれそうだ。どうにもならないのさ、という言葉のあとにルールという言葉が重なる。前大統領の言葉にlaw and order"というテレビドラマのような言葉がよく踊っていたが、まさにこれらをぶち壊すようなインスピレーション。

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いまアメリカの都市部では、トランプが罵った中国系の人々への偏見が残り、アジア人が暴行を受ける事件が多発していると聞く。他人事ではない。ストレンジャーズ・マターではないということだ。
(=^・^=)
 
 

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ノマドランド Nomadland

素晴らしい映画だった。『ノマドランド』はこれまで見たことのない世界。映画なのかドキュメンタリーなのか、これはいったい何なのか?Nomadland

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冒頭のテロップは衝撃だ。ある街の企業が不況で倒産して、地図から”郵便番号が消される”という恐ろしい事実を伝える。
家と夫を失ったファーン(フランシス・マクドーマンド)が放浪しながら行く街で臨時の職業で働いて、次の街へと進んでゆく。そのときに写されるアメリカの大地と自然がときに希望をほのめかし、ときに残酷に押し寄せてくる。
ときは2010年頃の話。ここがポイントだ。
それは2008年のリーマンショックアメリカ全土の不動産を始めとする資産をクラッシュさせた。そのおかげで仕事(教師)を失い過酷な労働をしながら転々と車で移動する。これらの生活社をノマドというようだ。

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ケン・ローチのアプローチとは少し印象を変えつつも、極めて芸術的にアメリカのラストベルトから派生する貧困とその原因を示している。まるで『フラガール』のような経済損失は、街全体を喪失させてしまうという現実。かといってこうしたアメリカの実情を必ずしも悲劇的に描いているわけではない。

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なんとこの映画でプロの俳優はこの二人だけで、あとは実在するノマドたちとともに過ごす日々が描かれている。

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ノマドの支援者であるボブという穏やかな人物の告白。「自分の息子が自殺してたことをきっかけにノマドを支援することにした。人は貨幣経済に巻き込まれているが、それが人生ではない。」というようなことを語るシーンが感動的だ。まるで『ムヒカ 世界でいちばん貧しい国から日本人へ』を連想する。

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これは映画館で見るべき映画である。
この風景の中で静かな静かな映像と光、これらを受け入れるためには、可能なかぎり大きな映画館で鑑賞することでより一層感動が高まるものだろう。
アカデミー賞に新しいジャンルが生まれたのかもしれない。
(=^・^=)
 

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