さらば! 2021年 ジャック・クラフ
そして完全に見る側と世の中をコケにする。バカにしている。世の中は狂っている、ということがこの映画の前提条件だ。約1時間のこの映画は、小気味よく辛辣に社会を罵っている。
世界の2021年をたったの1時間で振り返るのだが、その内容は極めて的を居ている。
バイデン政権誕生から始まり、前作同様ジョージ・フロイド事件のその後も追いかける。異常気象による洪水、森林火災などが環境問題にも及び。知らなかったのだが、メキシコ湾で海が燃えるという災害があったようで、このシーンはまるでタルコフスキーの『惑星ソラリス』を思わせた。
クリスティン・ミリオティ演じる普通の主婦が前作以上に狂っていて笑わせる。ワクチン接種を拒否し、陽性反応を知っていてホームパーティを開き、道行く人のマスクを取り外しまくるという、トランプの代理人みたいに過激な行動が笑わせる。
笑わせるのだが、このシリーズには一貫して見る側の信頼を裏切り続けようとする姿勢が示される。アメリカだけでなく、世界で起きている様々な事件や現象が、もはや人の手で補うことができない局面に至っていることを強く感じさせる映画だ。
必ず見るべき!
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貼りました。みつけてみてくださいね。