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しょうもない

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い  エフゲニー・アフィネフスキー

ちょっと奇をてらうような話だが、いまだからこそ見る映画だ。


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まず、

大変不謹慎なことを書くようだが、この映画の感動は映像にある。目を覆うような残酷なシーンや国家と市民が対立する戦闘シーンなど、心が折れそうになるシーンの連続だ。

しかし、しかしである、

ウクライナの首都に集まる人々がどんどん数を重ねて大勢の人々がそこに集結してからのシーンの美しさ。群集劇というにはあまりにも美しすぎるこの光景が逆に胸を打つのだ。

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晦日に新年を祝うために集う市民がウクライナ国家を怒号のように合唱するシーンの感動。実写映画でこれほどの演出を施すのは不可能だ。どんな映画も現実を超越できない。そして偽りの傀儡国家と戦う市民の意思がこれほどの美しい映像で伝えられることに驚く。

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もちろん美しいシーンだけではない。戦いの過程で最後はこの戦いのリーダーが命を落とすシーンは震えるほどの恐怖を感じる。

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それでもこの映画を美しいと称えたい。半年以上の時間をかけてこの現場をカメラが追いかけ、そこに示される戦闘や群衆が音と映像で残されたことは意味深い。そしてここでは今も同じ、いやこれ以上の恐ろしい戦争が起きているのである。

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国民がこれほどの反対のために集うのに国家はそれを阻止しようと警察やあらゆる汚れた手段を使って押しつぶそうとする。それに耐える市民。その間、国会ではおかしな決議が繰り返される。ヘルメット禁止が国会で定められるという理不尽に、市民は鍋を被って反抗する。世も末と思えるこうした行為は、ウクライナの話ではない。この国でもおかしなことは起きている。

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星の王子さま』ではないが、「本当のことは何も見えない」
日本という国が世界で最も愚か者に国に陥ってしまったのはここだと思う。かつて過去に起きた革命があった。天安門事件光州事件も極めて近い国に存在し、そこから歴史は大きく舵を切った。しかし残念ながらこの国はもう革命を起こす気力も知性もないらしい。ウクライナの話を他人事と見ている日本人は、本当に民度の低いだらしのない国民だとつくずく思う。
 
 

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アダム&アダム ショーン・レヴィ

原題は”The Adam Project” Netflix映画『アダム&アダム』鑑賞。

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高額ギャラランキングでドウェイン・ジョンソンと上位を争うライアン・レイノルズが『フリー・ガイ』に続いてジョーン・レヴィ監督とタッグを組んで作ったSF映画。ハルクのマーク・ラファロが父親役で登場する。正月に鑑賞した『ダーク・ウォーターズ』とは全く異なるキャラで好演。子役のウォーカー・スコーベルがとにかく美しくて演技も上手で舌を巻く。


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いわゆるタイムリープものだ。

冒頭、とてつもない宇宙船の迫力あるシーンから始まるこの映画は、これまでのタイムリープものと明らかに異なる点として、過去の自分と直接対話する。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの異空間ものでは、自分が自分と会うと歴史が変わる、というサスペンスだったが、ここでは堂々と自分に会って話をする。そして12歳の子供に大人のアダムが、自分の未来を話してしまったりする。挙句の果てに子育てで悩んでバーで飲んでいる母親や、父親が開発したタイムリープの機械を破壊するため、直接父親に会って説得したりもする。そしてここからは倫理の話に展開してゆく。

マーク・ラファロ演じる父親は、歴史を変えてはいけないと解く。しかし未来の2050年から来た息子のアダム(ライアン・レイノルズ)は未来で追われる身なので、父親に機械を破壊するよう強要する。このジレンマ。これ実は『ダーク・ウォーターズ』で展開したマーク・ラファロが取り組む環境問題などもチラつく話だ。過去は消せない。過去から汚染された環境を変えることはできないという現実。過去、現在、そして未来という時間軸において、この映画が掘り下げようとする倫理観は意味深い。主人公の名前をアダムとしたのも、悪魔に囁かれて禁断の果実に手を出したアダムとイブのアダムだ。そしてこの映画の孤独な少年はアダムであり、未来から舞い戻ってきた大人のアダムもまた聖書を意識させる。

これ以上はネタバレになるので結末は避けるが、個人的にこの映画で最高に興奮するのは要所で使われる音楽である。ピンチになって二人のアダムが戦うシーンでレッド・ツェッペリンの『グッドタイムス・バッドタイムス』のイントロが流れてきて絶叫。そしてなるほどこの曲の歌詞が二人のアダムにシンクロナイズする。ちょっと長いが引用する。

In the days of my youth, 
I was told what it means to be a man,
Now I've reached that age, 
I've tried to do all those things the best I can.
No matter how I try, 
I find my way into the same old jam.

まだガキだった頃
一人前の男になる意味について教わったのさ
今や俺もそんな年になって
やれるだけのことはやってきたんだ
どんなに頑張ってみても
状況はいつもと同じで変わりやしないんだ

(略)

I know what it means to be alone, 
I sure do wish I was at home.
I don't care what the neighbors say, 
I'm gonna love you each and every day.

You can feel the beat within my heart.
Realize, sweet babe, 
we ain't ever gonna part. 

孤独ってどういうことかわかってるけど
俺は家にいたいって強く思うのさ
ご近所さんがなんと言おうと気にしない
毎日毎日おまえを愛してやるんだよ

俺の心臓の鼓動が聞こえるだろ?
わかってくれよ 可愛いベイビー
俺たちは決して離れられないんだ…


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さらには、ボストンの曲なども最後のあたりで流れるなど、映画のストーリーに合わせて、我々1960年代生まれが興奮する楽曲を当てこんでくるあたりが実に憎い。

こういう新作映画が手軽に家で見ることができることを有り難いとは思うが、何しろ我が家の小さなテレビでは戦闘シーンの迫力は伝わりにくい。映画館でもぜひ上映してほしい映画だ。

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最後に・・・

自分には親の愛情を感じることがない。残念ながら親に捨てられて記憶すらもない。父も母も気持ちの中に存在しない。さらに悪いことに、自分が築いた家族すら捨てた自分には血の繋がりによる理屈抜きの愛情が欠落している。だからこそこの映画で父親のマーク・ラファロが息子のライアン・レイノルズに「理屈抜きで感じろ」と親の愛を強引に説明するシーンはもう涙なくして見ることができない。この感情はなんだろう?憧れか悔恨か・・・

 

 

 

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THE BATMAN ザ・バットマン マット・リーヴス

THE BATMAN ザ・バットマン』を高円寺に行く前、西新井で鑑賞。
思えばティム・バートンが1989年に復活させたバットマンシリーズはまさにティム・バートンワールドで、技術的な表現に加えてジャック・ニコルソン演じるジョーカーというキャラクターで成り立った。あの映画のおかげで、その後のシリーズで活躍(?)する悪役を多くのスターが演じる道筋を作ったと思う。
そして2005年にノーランが再び復活させたバットマンもまた、『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーが頂点となり、2019年にホアキン・フェニックス演じたトッド・フィリップスの『ジョーカー』で一定の成果を得る。悪役がなぜ存在することになったのか?というテーマは、今回の『ザ・バットマン』にもそっくりそのまま受け継がれている。

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さかんにいわれることだと思うが、こういうヒーローものの面白さは善悪の境がはっきりしていることだ。しかし本作も『ジョーカー』も、善も悪もそれぞれがいつ入れ替わるかわからない、という怖さがある。リドラーのなぞなぞを掘り下げることで、ブルース・ウェインは自らの出自にまで遡ってバットマンの使命と拠り所を探ろうとする。いわば新人バットマンの自己確認である。

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その意味で、彼がなぞなぞに惑わされそうになって、その怒りの矛先を見失うシーンはとても印象的だ。監獄の面会室はまるで黒澤明監督の『天国と地獄』だ。檻の向こう側とこちら側という善と悪は対立するものでありながら時として同期する。その怖さがこの映画の魅力だ。映画の中でゴッサムシティが汚職にまみれた都市であることが何度も示されるが、ここはまるで空想ではなく現実のようにも思えてくる。どんな手段をとってもはびこる増殖するテロリストに政治は無力である。そしておとずれる恐怖の瞬間、

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この映画が311に公開されたのは偶然か意図的かはわかりかねるが、いずれにしても無策の政治を側面から支えるバットマンですら、怒りで全てを破壊してしまうというジレンマ。それがこの映画の言わんとするところではないだろうか。
 
 

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木内一裕監督作品特集上映 シアターバッカス

過日、高円寺のシアターバッカスで特集された木内一裕監督の全作品を、同級生と一緒に鑑賞した。同級生に映画監督がいるということがまず驚きだったが、年に1度の忘年会ぐらいでしか会うことがなかった彼のこの20年の軌跡をたどる時間を共有したのはうれしかった。
短編映画の自主作品なので、メジャーで見る機会もないし、映画レビューサイトにも出てこないのだが、鑑賞した映画はいずれもクオリティが高く、何よりつくり手である木内氏の姿勢、生涯をかけて取り組もうとしてる姿勢が明確に示されていて心を打った。

この日は、この『Sun Flower向日葵』に出演され齋藤朱海さんが進行役で、会場に中野誠也さん(なんともうじき90歳)や坪井木の実さん嶋多佳子さんらが来られていて会場を盛り上げた。この「向日葵」は東日本大震災を描くものだが、映画の端々に政治にたいする批判。いつも虐げられる庶民の叫びなどが柔らかく描かれている。人物が誰も強い主張をしないあたりに、極めて強い主張を感じる。しかもヤクザ役の中野誠也さんの好演もあって強さではなく包容力のある表現がより強いメッセージとなっている。木内監督が命がけで撮った、といわれる所以は、自分も多少なりとも理解できる。主人公の齋藤朱海さんもまた被災者だったことで、彼女の屈託のない笑顔に胸が張り裂けそうになる。

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アメリカを舞台にした第1「White Shadow 白イ陰」、2作目Green Tea-r 緑色の涙」と続く。それぞれが原発についての物語で、重く深い。特に「緑色の涙」で冷たいお茶のしずくがぽたりと落ちるシーンは涙をさそう。小さい子供が大人の気も知らずに残酷なことばを重ね、やがて終戦。市長である滝田裕介さん演じる祖父が米兵が孫に与えるチョコレートで敗戦を実感するシーンの凄まじい現実感。

こうした過去作品を見ると、すでに一度鑑賞している『明日の献立』の言わんとする意味がより強く感じられる。このドラマには、娘を亡くした母親が存在する。放射能汚染を調べる仕事の裏側に失った娘への思いがあることで、この映画、あるいは木内監督がずっと貫こうとする命の尊さなどのことをあらためて強く印象づけた。

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途中で木内監督が、当時のエピソードなどを紹介してくれて、より映画が面白く感じられた。一連の作品にはそれぞれの色がある。白や緑や黄色、あるいは影というモチーフの黒といった色あいが美しくも厳しく描かれていて印象的だ。しかし実際の放射能に色はなく、見えない恐怖に誰もが翻弄される。ドラマ自体はいずれも優しい印象だが、内容については過酷な現実を掘り下げようとするものだ。短編である特性を活かしながら印象的なシーンを要所に使う手法も見事だと思う。
次回作とこの先の20年に、大いに期待したい。
(=^・^=)
 

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ロスト・ドーター マギー・ジレンホール

ちょっと長いですよ。しょうもないブログで、いつもすいません。
 
 
イタリアの匿名作家エレナ・フェッランテの『ナポリの物語』を原作とする長編からマギー・ジレンホール(ジェイクの姉)がメガホンを取った母性のドラマ。オリビア・コールマン、ダコタ・ジョンソンジェシー・バックリーらの名優による素晴らしい演技が衝突(まさに衝突)する。おだやかなギリシャの舞台とは裏腹に、内面に抱えた母性あるいは親としての本能を喪失した女性たちの切実な叫びが聞こえる。ひりひりするような痛み、もやもやした不安が常に親(特に母親)には秘められている。『ロスト・ドーター
たまたまだが、ジョージ秋山さんの『聖書』シリーズを読み始めて苦戦している。しかし、この映画を見ると旧約聖書の部分が引用されていることに気づく。”姦淫するなかれ”という教えや”蛇”にまつわるエピソード。オレンジを切るときに娘たちが”蛇”のように、とは聖書の中でさかんに罪の象徴として出てくるようだ。話題はそれるが、ジュリエット・ビノジュの『アクトレス』という映画にもあるとおり、蛇が時として女性の象徴としても示される。
その意味でこの映画はまさに母性の喪失を描く。主人公のレダ・カルーソは自らの喪失した母性から開放されるべくギリシャに一人旅をするが、旅先で彼女の周りで起こることが彼女の孤独を邪魔する。そして自ら失った過去がよみがえる、という構成と展開。
母性に限らず、人類が生まれた子供に対する愛情を失い、聖書で禁じられた姦淫を求めるというアンビバレンスな状態を抱える女性の苦悩。ここまで女性であり母親である女性を苦しめる人類の疎外と矛盾。惹かれ合いながら憎しみを覚える関係の恐怖をこの映画は伝えようとしているのではないか。
このドラマに出てくる人形もまた深い意味がある。避暑地で行方がわからなくなった少女を探してあげる主人公はなぜかその少女が持っていた人形を盗み取る。そして自分の子供と過ごしたときの人形を重ねて苦悩の日々を思い起こす。これもまた聖書が偶像崇拝を禁じていることに対するアンチテーゼ。子供は親から疎外されていることから、人形に対する虐待とも思える落書きをする。親が子へ、子は人形へと憎しみの連鎖を拡大させる。これはまさに愛を失った社会における憎しみの連鎖だ。

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監督のマギー・ギレンホールは自らも『ダークナイト』などで女優として活躍する傍ら、このような見事な映画を監督する才能に恵まれている。思えば『ウォント・バック・ダウン』という映画で彼女は自らシングルマザーを演じ、学校教育に挑戦していた。この映画とは真逆の世界。
主演のオリビア・コールマンの演技は、ここでもとてつもなく素晴らしいものだった。他者を寄せ付けない内向的な女性。ややもすると狂気的だ。そして表情を一瞬にして変化させ、突然涙をボロボロ流しだすというすごい演技に挑戦している。彼女は声がいい。声というか発音というか、とにかく言葉が美しい。この映画も言葉を絞り出すような映画なだけに、彼女の口からでる言葉のニュアンスが映画を大きく左右する。思えばオリビア・コールマンは『借りぐらしのアリエッティ』のイギリス版でアリエッティの母親役を演じている。(日本版の大竹しのぶ)ほかにも『きかんしゃトーマス』の映画版やNetflixアニメの『ミッチェル家とマシンの反乱』(←これはすごい傑作!)でも重要な役で声を演じている。
避暑地で出会うダコダ・ジョンソンも素晴らしい。彼女の体当たりな演技にはいつも圧倒されるが、ここでも主人公のオリビア・コールマンが乗り移ったような毒母を美しく演じている。子育てと夫の世話をしながら全く違う男性に肉体関係を求める。主人公もまた同じ。ダコダ・ジョンソンはやはり『胸騒ぎのシチリア』が素晴らしかった。避暑地と彼女の美しさはよく似合う。彼女もまた俳優一家で育ったサラブレッド。ヒッチコックの『鳥』でブロンド髪が美しいティッピ・へドレンは彼女の祖母にあたる。父親は『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソン。母親は恋多きメラニー・グリフィス。ことによるとこの映画の主人公とダコダ・ジョンソンは重なる面があったのではないか?
その主人公の若かりし頃を演じるジェシー・バックリーもまた素晴らしい。今年のアカデミー助演女優賞はこの人で決まりではないか。この映画で子育てに苛立ち、母性を離れ女性として夫以外の男性と関係をもつ女性。性欲の塊のような女性を美しく演じる。自慰をしていると幼い子供が邪魔をする、というシーンはリアルだ。彼女は『ジュディ虹の彼方に』でジュディ・ガーランドのアシスタント役を演じたり『クーリエ:最高機密の運び屋』で主人公の妻役を演じたのち、『もう終わりにしよう』という極めて難解な映画で主演を演じている。才能のある女性だ。ちなみにダコダ・ジョンソンとジェシー・バックリーは同い年。いずれも将来が楽しみな女優だ。
ほかにもなんとエド・ハリスが重要な役で登場する。この人が出てくると”何かしでかす”のではないかと思わせる。これもまたキャスティングの妙味で、エド・ハリスの存在はこの映画でとても重要。避暑地の管理人役の彼が主人公の荷物を運んだり、たまたまバーで出くわして彼女の相手をしたり、魚がとれたといって彼女の部屋を訪問したり、映画が終わるまで”何かしでかす”のではないかと思わせる。それだけで効果は十分で、主人公の女性の心理を必要以上に翻弄させる。しかし彼は結局何もしない。思わせぶりで終わる。これもまた男性の弱さ。齢70を過ぎたエド・ハリスも印象的な存在としてこの映画に刻み込まれている。
 

 
 

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令和4年2月下席 浅草演芸ホール

狙いは春風亭柳之助師匠だが、同じ日に神田伯山が出てくるというので、早めに移動。

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昼席は朝から小さな列ができるぐらいの入り。窓口で木戸銭を払うとき、ドラ猫が愛想を振りまいてくれる。

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しょっぱなは桂伸治師匠のお弟子さんの桂伸都さんの「まんじゅうこわい」からスタート。初めての高座だそうだ。声の通りもいいしスジはいいのではないか。素人がこういうと失礼かもしれないが。前日の夜『しゃべれどもしゃべれども』を鑑賞したあとなので、前座や二つ目のことを察しながら聞かせてもらった。
同じ桂伸治門下の桂伸しんさんやナオユキさんで盛り上がる。

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周りを見渡すと客席は6割か7割の入りになってきて、女性客も多くなってきた。女性お一人で落語を聴かれる方もいる。伯山目当てのお客さんも多いのだろう。
伯山先生の講談はライブで初めてだが、噂に違わず迫力満点。講談ではなく落語ネタだったが、わずかな時間を独り占めしてしまう凄みがある。「三方一両損」で大爆笑。講談師ってのは落語までキリリとできちゃうんだね。すごいね。

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柳之助師匠の出番になって楽しみにしていたが、またしても「時そば」だった。何度聴いても大笑い。そばをじゅるじゅるするくだりを聞くとお腹がすいてきた。

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何度も寄席に運ぶと、馴染みの落語家さんや初めてお目にかかる方などもたくさんいて楽しい。どの方もそれぞれ個性があって、その個性を活かして色々なことに挑戦する。落語以外でも昭和歌謡を並べてみたり、古いCMソングで楽しませたり、我々の世代でも知らないようなことを教えてくれる。笑いの場、というだけでなく、学びの場としても充実している。
 
 
 
 
 

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ナイル殺人事件 ケネス・ブラナー


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クリスティー原作の映画というと、どうしても1974年版シドニー・ルメットの『オリエント急行殺人事件』。アルバート・フィニーのポワロがどうしても原点。ジョン・ギラーミンナイル殺人事件ピーター・ユスチノフも同じイメージで演じていたが、その優雅でのったりした雰囲気が印象深い。と、言いながら、実は1978年は映画館で見ていない。

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 ケネス・ブラナーが自らポワロに扮して2本も大作を撮る意味はなにか?と考える。それが今回の作品の冒頭に見事に綴られている。ベルギー軍でドイツ戦に従軍したポワロが自軍の窮地を救いながら上官の爆死に巻き込まれ、顔の半分に深い傷を負う。このシーンは極めて重要だ。『ダークナイト』のツーフェイスのように傷ついたポワロを優しく慕うのは看護婦のカトリーヌ。この名前は、前作『オリエント急行殺人事件』にも出てくる名前だ。ケネス・ブラナーはこの2本の映画をカトリーヌに捧げているのだ。

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 この文脈でこの映画を見ると、愛と欲望と金(財産)が一直線に繋がってくる。

何度か映画やドラマ化された密室劇の裏側には、時代が替わっても変わらないものがある。この映画には深い深い現代性がある。

 

そしてなんと、TV版で長く製作された「名探偵ポワロ」シリーズと比べると、色々な違いが示されて面白い。そして何より、リネット役を若き日のエイミー・ブラントが演じていて驚いた。サイモン・ドイル役はJJ・フィールド
(=^・^=)
 
 
 

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