dalichoko

しょうもない

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

激動 日本左翼史 池上彰・佐藤優 過激化する新左翼

お二人のお話の中で、思想的な書物を扱う書店についての紹介があったのも面白い。 そして本書は最終章に進む。 70年代に入ると敗北を認めたくない左翼思想集団はさらに暴徒化する。これは自分も子供の頃漠然とテレビのニュースなどで見ていた記憶がある。 …

激動 日本左翼史 池上彰・佐藤優 新左翼の理論化たち

ここで新左翼の理論化たちをお二人は紹介している。 講座派 対米従属 労農派 独立帝国主義 というふたつの左翼運動の中で池上彰さんは大学入学を決める。 そして当時の理論的に軸となる人物にマルクス経済学者の宇野弘蔵がいて大いに新左翼へ影響した。他に…

激動 日本左翼史 池上彰・佐藤優 「学生運動の高揚」

第2章は学生運動の高揚。1965〜1969年の4年間のことが書かれている。戦後左翼史の中でも凝縮された時期と言えよう。 アカシアの雨がやむとき という歌がある。水木かおるさんが歌詞を書いた歌。 www.youtube.com これこそ何をやっても無駄だった、…

激動 日本左翼史 池上彰・佐藤優 「60年安保」

『真説 日本左翼史』の知られざる内容を学んで、続編を迷わず購入。この後第3巻が予定されているらしい。このシリーズの大前提が「来たるべき左翼の時代」とある以上、歴史に学ばなければ明日はない。共産主義に向かうメカニズムとして、原始、奴隷、封建、…

コーダ あいのうた シアン・ヘダー

え? これあのフランス映画のリメイクなの?『エール!』の??見たはずなのに覚えていない。記録を確認すると2016年にこの映画を見ているが、全く覚えていなかった。しかし今回リメイクされた『コーダ あいのうた』を鑑賞後再度『エール!』を見直した…

クライ・マッチョ クリント・イーストウッド

まだまだ現役、90歳を超えてもまだ映画作りに意欲を見せるクリント・イーストウッドの最新作。昨年の東京国際映画祭でオープニング上映された映画『クライ・マッチョ』を鑑賞。 www.youtube.com ウィキペディアを読むとかなり昔から企画はあったそうで、な…

嵐の中で オリオル・パウロ

なかなか複雑な構造の映画だ。スペイン映画の『嵐の中で』Netflix映画。 英語タイトルのMIRAGEは蜃気楼。 1989年のある日、ビデオを撮りながら演奏するニコ少年が隣家の騒ぎを聞いて表に出る。このシーンがいきなり衝撃的だ。そして時代は変わって現代。…

一宮入魂! 一之輔・宮治

昨日笑点がありましたね。 寄席で時々お見掛けする春風亭一之輔と、いまや笑点への大抜擢で話題の桂宮治の二人会。大爆笑で始まり、大爆笑で終わった。 初めて入るよみうりホールは、1,100人も入る大きなホールだが、流線型を用いたデザインが美しい。…

世界で一番美しい少年 クリスティアン・ペトリ

『世界で一番美しい少年』 まずはこの映画を監督したクリスティアン・ペトリのインタビューが紹介されている。ここでペトリは正直にすべてのことを解説している。 www.youtube.com ペトリはとても知的で冷静にこの映画についていくつかのインタビューで語っ…

ハウス・オブ・グッチ リドリー・スコット

老いてなお創作意欲の衰えないリドリー・スコットの作り出す家族の崩壊を映す映画。その貪欲な姿勢が凄まじい『ハウス・オブ・グッチ』は広い意味で資本についての映画だ。資本主義の当然の顛末。 www.youtube.com なによりもこの映画はレディー・ガガで成り…

新聞記者 Netflix 藤井道人

映画とこのNetflixシリーズは重なっている。映画で描ききれなかった部分をこのシリーズで細かく補おうとしている姿勢がいい。Netflix版『新聞記者』全6話。映画同様藤井道人監督が河村光庸氏の企画を受け入れて作ったようだ。 www.youtube.com 物語の詳細は…

梅沢富美男、泉ピン子 特別公演 明治座

いやー、素晴らしかった。梅沢富美男さんの公演は二度目なのだが、本当に感動する。 www.youtube.com 明治座は自分を含めた高齢者で満席だ。 明治座やこの類の舞台の醍醐味は、ステージだけでなくその周辺にもある。豪華なお土産屋さんが並んでいて、30分…

サンダーバード55 GOGO

『日本語劇場版 サンダーバード55 GOGO』 新宿ピカデリーで鑑賞。 www.youtube.com 朝一番の回になんとな間に合って、ピカデリーに入ると、サンダーバードのレプリカが並んでいた。 考えることは皆同じ。 みうらじゅんさんが公式HPでサンダーバードの…

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム ジョン・ワッツ

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を鑑賞。実は『ファー・フロム・ホーム』を見ていないことに前日気がついて慌てて鑑賞。 www.youtube.com 昨年の世界公開、今年の日本公開とずっと高い評価をされてきた話題の映画なので、ここでなにかを示すのは愚…

さらば! 2021年 ジャック・クラフ

このブログでかつて紹介した『Death to 2020』という映画があったが、これはその続編である。その名も『Death To 2021』。出演メンバーもヒュー・グラントなど同じ俳優を使っている。 そして完全に見る側と世の中をコケにする。バカにしている。世の中は狂っ…

ライトニング・ムラリ バジル・ジョセフ

長い映画だったが、これはヒーローものというよりも、トッド・フィリップスの『ジョーカー』だった。いや、ことによると『スパイダーマン』シリーズや、ほかのヒーローものの原点にあるべき重要なことがこの映画には描かれているような気がする。 www.youtub…

時給はいつも最低賃金 和田静香著

「時給はいつも最低賃金 これって私のせいですか?」 どこまでが本当のタイトルかわからないが、とにかく長いタイトルの本だ。 実は大島新監督の『香川1区』を鑑賞してたら、『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』というエッセイが同…

パーフェクト・ケア J・ブレイクソン

『パーフェクト・ケア』を角川シネマ有楽町で鑑賞。この映画館は初めてだったと思う。かなり大きなシアターだった。 www.youtube.com "I care a lot”がオリジナルタイトルだ。「看病しまくるぜ」みたいなニュアンスか。 ひとことで言うとぶっ飛んだ映画だ。 …

レイジング・ファイア ベニー・チャン

ベニー・チャン監督の遺作となった『レイジング・ファイア』を鑑賞。驚くべき傑作だった。 www.youtube.com 正義を貫き、出世からも遠ざかり、汚職を徹底的に嫌う清廉潔白な刑事(ドニー・イェン)が主人公の映画なのだが、この映画は間違いなく敵役のニコラ…

ドライブ・マイ・カー 濱口竜介

濱口竜介監督の作品をこの年末年始に3本ほど鑑賞した。濱口監督は東大卒で芸大でも学び、英語は喋れるし、いかにも国際派として注目されるべきキャリアを持つ。この『ドライブ・マイ・カー』を含め、濱口監督が関わった作品が世界の国際映画祭で注目され、…

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男

『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』を2022年最初の劇場映画として鑑賞。 www.youtube.com 超人ハルクのマーク・ラファロが『キャロル』のトッド・ヘインズ監督とともに自ら権利を獲得して作った映画。アン・ハサウェイが妻役として華を添え、…

天井の葦 太田愛著

おかしな借金だらけの探偵のところに、匿名の依頼が来る。ある老人が渋谷のスクランブルのど真ん中で空を指さして息絶える。探偵への依頼はこの老人が指さした空が何かを明らかにすること。たったこれだけのドラマがとんでもない展開になってゆく。想像を絶…

ただ悪より救いたまえ

www.youtube.com こりゃすごい、すごすぎる。『ただ悪より救いたまえ』 日本を舞台にして始まるこの映画。日本のヤクザを殺しに来た殺し屋が、ヤクザの弟分の殺し屋に追いかけられるという物語。まぁとにかくすごい。細かい物語のディテールなどどうでもいい…

偶然と想像

滝口竜介監督の作品に初めて触れる。 『偶然と想像』 www.youtube.com 3つの短編で構成される作品にはそれぞれの偶然と理屈っぽいセリフが重ねられる。そしていずれも黒沢清監督の影響もあるのかほとんど演技しない。棒読みのセリフ。そして映像とセリフの…